2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第126号 (Aコース)
持続可能な国際社会の実現に向けた先端科学技術を学ぶ
~ASEANから7日間の招へい~
電気通信大学からの報告
ASEANにある電気通信大学の協定校のうち、インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナムの4か国10校より17人の招へいを行い、7日間の科学技術体験コースのプログラムに参加していただきました。本学ではASEANとの強い関係性を維持することは大切なことと捉えてこれまでも国際的な活動を行ってきましたが、ここ数年は、世界で猛威を振るっていた新型コロナウイルス感染症禍により、対面での交流ができませんでした。そのため、約3年ぶりの国際交流事業となりました。
準備を行っていた当時は、日本への上陸規制が新たに設けられていたため、コロナ前の日本の状況を良く知っていた派遣元機関を含め、現地側ではこの度の準備についてはいろいろと戸惑うことも少なくなかったようですが、成田空港で出迎えた際には、皆元気いっぱいで、他国からの参加者同士でも自然と活発な交流が始まりました。また、成田空港から宿舎へ移動する道中でも、次々と現れてくる東京の風景を興味深く見ていたことも印象的でした。
この度の招へいでは、本学内での研究室等を訪問し、その取り組みを学ぶとともに、本学が設置する研究センターにおいてはどのように社会実装等がなされているかについても見学していただき、それぞれの国で科学技術を活用するアイデアを膨らませていただくきっかけとしました。また、学内での研究室訪問等を行った後では、情報通信分野における日本の社会変革の歴史および技術革新の歴史を理解していただくために、NTT技術史料館および国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)を訪問しました。NTT技術史料館では明治維新から現在までの日本での情報通信の歴史とハードウェア等の変遷を見ていただき、NICTでは現在の最新の研究成果を見ていただきました。これらにより、本学での取り組みを学術的な視点だけではなく多面的にとらえることができるように努めました。
今回の招へいでは、NTT技術史料館からNICTへ移動する途中にある小金井公園内の江戸東京たてもの園で日本の雰囲気に触れながら昼休憩をとっていただいたり、浅草や秋葉原も訪問先として組み込んだりすることにより、様々な面での日本を体験していただくことで、日本の最先端な科学技術のみならず文化にも触れていただきました。その甲斐があってか、参加者からも良い評価をいただいただけではなく、帰国した後にも派遣元機関からさらなる交流についての連絡が早速あったり、参加者の中から実際の留学希望者が出たりという好循環が生まれたため、大変意義のある招へいとなりました。
このような機会を与えていただき、実施に向けてご支援をいただきました、JSTをはじめとする本学内外の全ての方にこの場を借りて御礼申し上げます。
1日目 | 成田国際空港に到着 宿舎へ移動 宿舎にてオリエンテーション |
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2日目 | (1) 本計画の概要、大学概要 (2) 学長表敬訪問、意見交換 (3) 講義(SDGs・総合コミュニケーション科学) (4) 研究室訪問(地球規模の電磁波観測、センサネットワーク、生体工学、AI 、他) (5) 研究室訪問(生体科学、医療画像解析、AI、マニピュレータ、他) |
3日目 | (6) 研究室訪問(次世代燃料電池) (7) 研究室訪問(量子ドット応用太陽電池) (8) 研究室訪問(量子エレクトロニクス、先端レーザ科学、ナノテクノロジー関連) (9) コミュニケーションミュージアム見学 |
4日目 | (11) 研究室訪問(AIを用いた人とコンピュータのコミュニケーション) (12) 研究室訪問(エネルギーハーベスタ、ドップラーレーダ型連続非接触血圧測定) (13) 研究室訪問(ナノ・バイオエレクトロニクス・半導体工学・ナノ磁気工学・量子効果デバイス・応用物理・医療診断) (14) 研究室訪問(光ナノファイバによる量子状態制御) (15) 研修全体の総括・アンケート回収・意見交換会 |
5日目 | (16) NTT技術史料館 (17) 情報通信研究機構 |
6日目 | (18) 日本科学未来館見学(臨海副都心センター) ①未来を創る(ロボット工学、情報科学、イノベーション) ②世界を探る(宇宙科学、生命科学) (19) 日本文化研修 ①浅草寺 ②秋葉原 |
7日目 | 成田へ移動 帰国 |