2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第102号 (Cコース)
スピントロニクスデバイス技術に関する研修プログラム
九州工業大学大学院情報工学研究院物理情報工学研究系
教授 福間 康裕さんからの報告
九州工業大学は、令和5年2月5日から2月14日までの10日間、さくらサイエンスプログラムにより、Nanyang Technological University(大学院生2名)、Indian Institute of Technology Kanpur(教員1名、大学院生2名)、Amity University(大学院生4名)から合計9名を招へいし、科学技術研修プログラムを実施した。
本学はインドのIndian Institute of Technology Kanpurとの大学間協定、本学情報工学部はインドのAmity UniversityとシンガポールのNanyang Technological Universityとの部局間協定を締結し、学術研究および教育交流を実施している。このために、研究環境・手法のみならず互いの文化や価値観の違いを理解することを目的とした。
本プログラムの特徴は、最先端のデバイス研究環境(大学連携研究設備ネットワークや学内共同研究設備)を活用して、電子素子作製から特性評価までの一貫した実習を行っている点である。アジア諸国において、経済発展と共に科学技術は進展しているものの最先端の作製技術および評価技術を有する研究機関は極めて限られている。日本の恵まれた研究環境とものづくりを体験することで、海外から優秀な若手人材の流入が期待される。
具体的な研修内容は、(1)参加者の研究内容紹介、(2)クリーンルーム内での微細加工実習、(3)加工した試料の電気・磁気的特性計測実習、(4)最終報告会を中心として、受け入れ側日本人学生と海外招へい者が主体的な活動を通して互いの意思疎通を積極的に図ることである。全10日間の日程を下記に示す。
2月5日 | インドからの招へい者が福岡空港に到着 九州工業大学・飯塚キャンパスに移動 |
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2月6日 | オリエンテーション 参加者から自己および研究内容の紹介、懇親会 |
2月7日 | 磁性金属多層膜作製の実習 |
2月8日 | クリーンルームにてデバイス作製の実習 |
2月9日 | スピンホール効果の特性評価実習 |
2月10日 | 九州工業大学・機器分析センター(戸畑キャンパス)の見学 山口大学工学部のクリーンルームにてデバイス作製の実習・共同研究の打ち合わせ |
2月11日 | 広島へと移動 宮島視察・自由行動 |
2月12日 | 広島平和記念資料館や広島城を見学 九州工業大学・飯塚キャンパスへと移動 |
2月13日 | 最終報告会の準備 さくらサイエンスに関する最終報告会・共同研究の打ち合わせ |
2月14日 | 福岡空港から帰国 |
学生同士は日常、教育研究、文化・慣習など多岐にわたり幅広い交流を行った。短い期間であるが、海外招へい者は先端実験機器を実際に取り扱い、試料作製から特性評価までの技術研究を行った。今後の共同研究への積極的な議論も行うことができ、本さくらサイエンスプログラムは受入れ機関・送出し機関の双方に有益な活動を実施することができた。