2022年度 活動レポート 第97号:帝京大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第097号 (Aコース)

機械精密工学およびバイオサイエンス分野に関する最先端の実習実験と交流プログラム

帝京大学からの報告

 2022年12月12日から17日にかけて、帝京大学宇都宮キャンパスにてさくらサイエンスプログラムを実施しました。今回は協定校であるウシャク大学(トルコ)の教員・学生9人を招へいし、理工学部機械・精密システム工学科及びバイオサイエンス学科にて受入を行いました。各研究室での実験実習、講義、研究内容のプレゼンテーション等を通して、招へい者は本学の研究に触れるとともに本学学生と活発に交流しました。

 12月14日に機械・精密システム工学科では、教授 加藤彰、教授 井上秀明、講師 牧田匡史の3名が招へい者の対応を行いました。

 加藤研究室で招へい者はまず同研究室所属の学生によるプレゼンテーションを聴講し、自動車技術センターを見学しました。

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自動車技術センターにて

 井上研究室において、同研究室所属の学生が自ら行っている研究について、研究の現状などを紹介する研究発表を行い、ウシャク大学の機械科に在籍する招へい者とその内容に関する議論を行いました。招へい者は、発表の聴講に加えて、同研究室の学生が研究に用いている電動車椅子や計測器などを実際に動かすことによって、研究内容をより深く理解しました。両大学の学生は共に機械科の学生として活発に議論を行い、交流を深めました。

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井上研究室にて

 牧田研究室の学生が、車両運動シミュレーションCarSimの操作を招へい者に指導し、招へい者が実際にバーチャル走行実験としての車両運動シミュレーションを体験しました。ABS(アンチスキッドブレーキシステム)の有無で車両挙動がどう変わるのかをコンピュータ上で再現できることを実際に体験して、制動安全装置(ABS)の必要性やデジタル技術(バーチャル実験)の有用性について学生同士で議論を深めました。

 同日、バイオサイエンス学科は、午前中にスライドを用いた学科紹介、同学科の教員が担当する講義の授業参観、さらには学科内の研究室訪問を実施しました。研究室訪問時には、ポスターを用いて各教員からの詳細な研究内容の説明が行われました。

 午後には教授 柳原尚久、准教授 榎元廣文の2名の研究室に招へい者を受け入れました。

 柳原研究室では、最近新規に開発した「テフロンのケミカルリサイクル方法」に関して講義を行い、その後実際の実験プロセスを体験してリサイクルに関する知識と技術について理解を深めてもらいました。

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柳原研究室にて

 榎元研究室では、研究題目「食品の品質理解に向けた質量分析イメージングの利用に関する研究」として、実際にクライオスタットを用いた食品試料の切片化など試料調製、ならびに質量分析イメージング装置を用いた測定とデータ解析を体験してもらい、同研究室への理解を深めてもらいました。

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榎元研究室にて

 12月16日には、各招へい者が自分の現在の研究についてプレゼンテーションを行い、あわせてこのプログラムに対する感想を発表しました。本学の学生や教員も熱心に耳を傾け、積極的に意見交換をする様子が見られました。
 その後、修了式にてプログラム修了証とピンバッチを手渡しました。

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修了式にて

 さくらサイエンスプログラムのスキームでウシャク大学の教員・学生を本学に招へいするのは初めての試みでありましたが、両大学の交流が推進される実り多いものとなりました。今後も科学技術の向上と国際交流を深める事業に積極的に参加するように努めてまいります。