2022年度 活動レポート 第93号:大阪工業大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第093号 (オンライン)

異分野交流を基軸とした新素材イノベーションプログラム

大阪工業大学工学部応用化学科からの報告

 10月4日〜10月21日、「さくらサイエンスプログラム」の支援を受けて、バングラデシュ繊維大学 (以下BUTEX)とオンライン会議システム(Zoom)を利用したオンライン国際PBLを実施しました。BUTEX Wet Process Engineering学科の学部4年生13名に対し、大阪工業大学(以下OIT)・工学部・応用化学科・有機高分子研究室(下村修教授)の学部4年生5名、無機高分子研究室(松村吉将特任講師)の学部4年生7名の合計12名でBUTEX、OIT合計25名の学生が参加しました。バングラデシュと日本の学生2名ずつの4名(あるいは5名)がチームとなって課題に取り組みました。

 まず1日目に交流プロジェクトの趣旨説明、それぞれの大学の簡単な紹介をOITの下村教授およびBUTEXのShekh Md. Mamun Kabir准教授から行った後に学生が自己紹介を行いました。自己紹介の終了後、Zoomのブレイクアウトルーム機能を利用して各グループに分かれグループメンバーごとの交流を行いました。

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BUTEXの沿革

 2日目には、松村吉将特任講師からビスマスを利用した機能性高分子の合成、BUTEXのMotakabbir Hasan助教から繊維の合成と染色に関する課題解決に向けた研究の講演を聴講しました。3日目には、世界的に大きな問題となっているプラスチックや繊維の廃棄、その再利用とゴミの減量についてグループごとに意見交換し、二酸化炭素の排出削減や地球温暖化を抑制するための方策についてそれぞれの専門分野をベースにした解決へのアプローチ法を議論しました。

活動レポート写真2
衣服の廃棄

 4日目にはグループごとに各自で作成したアイデアを持ち寄り、発表資料を作成することで5日目のグループ発表に向けたプレゼンテーション資料を作成しました。5日目のチームごとのプレゼンテーションは、良く考えられたユニークな発表も見られ、大変意義深いものでした。最終日の6日目には、教員、参加学生がそれぞれ投票した最優秀発表チームを決定しました。優秀作品の表彰式、プログラム終了証の授与を行った後、懇親会を行いました。懇親会の中で、各国、所属大学、ローカルフードなどの紹介を行い、参加者全体で交流を深めてプログラムを終了しました。文化や専門分野も異なる学生同士の交流を通じて、人類共通の課題である地球温暖化防止、二酸化炭素の排出削減といった課題について議論し、考え方に対する違いを実感することができ、参加者にとって大変有意義なものとなりました。

 本交流で日本とバングラデシュ双方の紹介や研究内容の共有を行ったことで、新たな交流のきっかけが生まれました。両大学の学生および教員が、今後益々活発に交流を深めていくことが期待されます。

活動レポート写真3
集合写真