2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第091号 (Aコース)
地域の活性化に役立つ科学技術の役割
早稲田大学人間科学学術院からの報告
2022年12月11日から17日にかけて、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、オーストラリアのトーマス・ハサル・アングリカン大学から高校生と引率者を含む13名を招へいし、地域の活性化に役立つ科学技術の役割に関する研究交流を実施しました。東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)、早稲田大学人間科学学術院教員による講義によって、日本の科学技術についての理解を深めた後に、埼玉県秩父郡皆野町訪問、早稲田大学人間科学部学生との交流を通して、現実社会で直面する問題や解決策を検討するプログラムとなりました。
(1)日本の科学技術と地域開発に関する説明・講義
プログラム2日目、JR東日本に勤める社員から、鉄道サービスを通して都市開発をしていく取り組みについての話を聞きました。招へい学生は自国の鉄道の実態を踏まえて積極的に質問をしていました。
プログラム3日目、本学教員による情報通信技術と地域開発との講義、医学領域から地域開発を考える講義が行われました。複数の専門領域から地域開発について議論することで、日本の最先端の研究についての見識を深めるとともに、招へい学生が日本の大学で行われている科学技術に関する研究に興味を持つ契機となりました。
(2)地域訪問
プログラム4日目、皆野町を訪問し、地域を活性するために行われている事業の説明や伝統工芸品をはじめとした地域で行われている産業についての理解を深めました。また、皆野町立皆野中学校の生徒による地域の紹介や交流を通して、地域の魅力を知ることができました。
(3)科学技術と地域活性に関するワークショップ
プログラム5日目、日本の科学技術に関する講義や実際の地域訪問を踏まえて、招へい学生と本学学生とが共同して、地域の活性化を目指したワークショップを実施しました。科学技術によってどのように地域を活性化していくことができるのかについて、講義内容や訪問経験、ならびに招へい学生の自国の取り組みなどが統合され、多角的な視点から提案がなされました。皆野町役場に勤める職員への提案を通して、科学技術と現実社会との関係性について深く考えることができました
(4)日本の伝統文化の体験と修了式
プログラム6日目、学習院百周年記念会館にて遠州流茶道を体験しました。招へい学生にとって、日本の科学技術を根底から支えている日本の文化を肌で体験できました。その後、プログラムの総括として振り返りを実施して、修了証が授与されました。
本プログラムは、招へい学生が日本の科学技術やその活用について理解を深めることで、日本への留学や再訪日の契機となっているだけでなく、地方と大学との官学連携を促進する足がかりになると考えています。
最後に、科学技術振興機構をはじめとする関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。