2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第090号 (代替オンライン)
インドネシア、台湾との代替オンライン交流
マリンバイオロジーを学ぶ
広島大学からの報告
2022年度さくら招へいプログラムに採択され、マリンバイオロジーを学ぶ体験交流という交流計画で準備を進めたが、新型コロナ感染症の影響受け、招へい者の入国手続きや航空便の運行状況に依然として深刻な困難があり、最終的にオンラインでの代替交流を2023年1月17日〜19日の3日間に渡って、広島大学大学院統合生命科学研究科附属臨海実験所にて実施した。参加機関として招へいで計画していた際は、インドネシア共和国より州立イスラム大学マラン校、同スラバヤ校、ブラビジャアヤ大学、の3校と台湾より国立中興大学の1校、計4校であったが、オンライン実施に変更する際に、インドネシア側の強い希望で、州立イスラム大学4校(マカッサル校、トゥルンガグン校、バンドン校、ジョグジャカルタ校)が正式に加わり、合計8大学から、大勢の参加者を受け入れ実施した。インドネシアからの参加者が多数を占めるので、開始時刻や休憩時間等、これまでのオンライン交流経験を活かして、インドネシアを基準として実施した。
具体的な実施内容としては、初日、1月17日にキックオフし、開会の挨拶およびさくらサイエンスに関する説明を行った。その後、外部講師2人による海洋生物に関する特別講義を実施した。最初に、県立広島大学の阪口利文教授による「海洋生物ならびに海洋環境から単離した放射線抵抗性細菌ならびにセレン抵抗性細菌」に関する講義、次に、沖縄科学技術大学院大学の西辻光希研究員による「沖縄の海を理解する:藻類とサンゴ」に関する講義である。どちらの講義でも、活発な質疑応答が行われ、予定時間をオーバーした議論が続いた。
2日目、1月18日は、最初に海洋生物からDNAを抽出して次世代シークエンサー用サンプルを調製する実験を演示した。次に、広島大学が世界に誇る二施設、ゲノム編集イノベーションセンターならびに両生類研究センターの協力を得て、施設紹介と研究紹介を行った。ゲノム編集イノベーションセンターからは細羽康介助教が、最先端のゲノム編集技術に関する説明やそれを駆使した研究内容の説明ならびに、卓越大学院プログラムの紹介がなされた。両生類研究センターからは、センター長の荻野肇教授ならびに副センター長の林利憲教授による、センターの概要ならびに施設紹介やイベリアトゲイモリの再生研究の講義など広島大学でしか聞けない両生類に関する興味深い話しを伺った。
3日目、1月19日は、最初に昨日から続いて、簡易型次世代シークエンサーを使った演示実験を実施し、2日間にわたって実施した実験に関する結果の説明や質疑応答を行った。参加者の中からは、具体的な費用や実験の効率等に関する質問が出た。その後、参加校からの今後の共同研究や交流に関する具体的な話し合いを行い、次年度へ向けて活発な議論が交わされた。名残惜しいまま、閉会の時がやって来た。今回初めて、3日間に渡るオンラインでの交流を実施したが、前回の2日間に詰め込んでの実施よりも、バランスが取れてなおかつ実施機関ならびに招へい機関の両参加者の集中力も保てたまま、効率的に実施できたのではないかと感じられた。