2022年度 活動レポート 第88号:芝浦工業大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第088号 (Cコース)

材料工学における環境・エネルギー分野の知識およびその実践的な活用技術・能力を習得するワークショップ

芝浦工業大学からの報告

 芝浦工業大学では新型コロナウイルス感染症拡大以降、初の対面型のAdvanced Global Project Based Learning(aPBL)を2022年12月4日から13日までの10日間実施した(初日と最終日は移動日)。今回は本学を含めた*IITM − IIITDM − UPM − UMTの5校で、Climate Action: Materials for Applications (SDG13)をテーマに、本学の先進国際課程ミリアラ教授主導のもと、招へい者27名と本学協力者の間で、活発な交流が行われた。

【オリエンテーションの実施】

 プログラム初日には、オリエンテーション・意見交換会・キャンパスツアーが実施された。オリエンテーションの主な内容は以下の通り。

  • 先進国際課程 ミリアラ教授による挨拶
  • JST石黒様、西川様による来賓挨拶
  • IITM Prof. Ramachandra Rao氏、UPM Prof. S.K. Chen氏によるご挨拶
  • 芝浦工業大学 国際部職員による留学プログラムの紹介
  • 豊洲キャンパスツアー
  • 意見交換会

 この他、本学ミリアラ教授によるaPBLの説明や超電導分野の概論の説明が行われた。

【各送り出し機関教員・研究者による特別講義の実施】

 各送り出し機関の教員・研究者による特別講義を実施した。特別講義では、各教員・研究者の所属機関の紹介や自身の研究について、講義がなされた。

 IITMのProf. Ramachandra Rao氏は、「ソーラーエネルギーと持続可能性のための機能材料と表面被覆技術」をテーマに講義を実施した。講義では、エネルギーの技術開発における材料研究の重要性について語られ、また現在進行中プロジェクトの紹介や、IITMがどのようにして起業家を惹きつけるような技術研究を行っているかなど、産学連携に関する話なども共有された。

 UPMのProf. Soo Kien Chen氏は、「エナジーマテリアルと超電導体」をテーマに講義を実施した。講義では、現在進行中プロジェクトの紹介について語られ、Q&Aセッションでは超電導体の多様な利用法の可能性についてのディスカッションが行われた。

 IIITDMのProf. Tejendra Dixit氏は、「2D半導体と次世代の光エレクトロニクス」をテーマに講義を実施した。講義では、2D材料がダイオードやトランジスタなどの電子デバイスに与える影響について言及しながら、2D材料研究の重要性について説明がされた。

 UTM のProf. Oon Jew Lee氏が「オイル吸着剤」をテーマに講義が行われた。講義では、研究の実用例として、石油流出時の海洋汚染に対して、オイル吸着の技術が利用されている例などが紹介された。

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特別講義の様子

【研究室およびテクノプラザでの実験】

 各講義後には、招へい者はミリアラ教授の研究室およびテクノプラザにて、XRD、SEM、SQUID、AFM、ラマン分光装置、テラヘルツ分光装置、共焦点3D−レーザー顕微鏡など、各研究分野に関連した最新機器を用いて、実験を行った。

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実験の様子

【外部施設見学】

 山梨県にある県立リニア見学センターを訪問した。県立リニア見学センターでは超電導の磁気浮上技術を用いた日本のリニアモーターカーの歩みについて展示されおり、日本の技術進歩を学ぶ良い機会となった。

【ワークショップとコンペティションの実施】

 プログラム終盤には、各講義を踏まえた上で、Climate Action: Materials for Applications (SDG13)をテーマに、ワークショップと発表会を実施した。招へい者をランダムに5グループに分け、2時間で気候変動課題に対する材料工学の活用法を模索し、意見をまとめ発表を行った。この発表会では、Prof. Prof Soo Kien Chen (UPM)、Prof. Tejendra Dixit (IIITDM)、Prof. Oon Jew Lee (UTM)および本学の Prof Alicia Krykowitzに審査員として評価いただき、上位2グループには表彰を行った。

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表彰式の様子

【閉会式の実施】

 プログラム最終日には、豊洲キャンパスで閉会式が行われ、今回のプログラムでの成果や学んだ内容についての意見交換が行われた。また、急遽駐日インド大使であるMr. Sibi George氏にお越しいただき、国際的な研究・学生交流の重要性について、ご講演いただいた。

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閉会式時の集合写真

 今回新型コロナウイルス感染症拡大後初ということで、対面で行えるメリットを実に多く感じることができました。最後に、今回のプログラム実施にご支援いただいた、さくらサイエンスプログラムの関係者の方々に厚くお礼申しあげます。


* IITM−インド工科大学マドラス校(Indian Institute of Technology Madras )、IIITDM−インド情報・設計・生産技術大学カンチープラム校(Indian Institute of Information Technology, Design and Manufacturing, Kancheepuram)、UPM−マレーシアプトラ大学(Universiti Putra Malaysia)、UMT−マレーシアトレンガヌ大学 University Malaysia Terengganu, Shibaura Institute of Technology