2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第085号 (Cコース)
医療機器を用いた実習による医用工学分野の体験的学習と日韓学生交流
東京都市大学からの報告
韓国内陸部、Gumi市にキャンパスを構えるクモウ国立工科大学の医用工学を学ぶ2・3年生10名と引率教員1名を東京都市大学(以下都市大)に迎えて医療機器を用いた実習をメインとするプログラムをスタートした。受け入れ先学科は理工学部医用工学科であり、同一分野の学生、教員の交流を意図したプログラムとなっている。
実質的なプログラム初日となる12月15日午前中には、都市大でのガイダンスを実施し、ガイダンスに続いて学内の見学会が実施された。その後、受け入れ学科学生との交流会が行われ、リラックスした雰囲気の中で積極的な交流が行われた結果、初日にして両国の学生間に打ち解けた関係を構築することができた。
翌日には、本プログラムの目玉となる、医療機器を用いた実習の前半部分を実施した。その内容は、受け入れ先学科の3年必修科目である「臨床機器学及び実習」をアレンジしたものである。全体で11項目の実習が用意され、「生体計測」と「臨床機器とその技術」の2パートに分かれている。まずこの日は受け入れ先学科の学生のサポートのもと、前半のパートを実施した。実習に先立ち、実習内容や原理に関する解説を行い、内容の深い理解を図った上で実習を行った。参加者は真剣な中にも和やかに実習を楽しんでいるようであった。
終末の土曜日午前には、受け入れ側学科の教員と大学院生の引率で日本科学未来館を訪れた。場所がお台場であることもあり、参加者は未来館だけでなく、そのエリアの雰囲気などにも興味を持ったようである。
12月19日には、受け入れ先学科の紹介と施設見学、そして後半の実習に関する講義を実施した。学科の紹介と施設見学では、参加者から質問が出されるなど、熱心な様子がうかがえた。また後半の医療機器を用いた実習に関する講義では、実習に用いられる医療機器の動作原理などについていくつか質疑応答があり、次の日の実習に向けて良い予習ができたのではないかと思われる。この日の午後には学外での活動プログラムを用意した。いわゆる「映える」写真が撮影できそうなスポットをリストアップし、その資料を利用しながら東京周辺を散策してもらって写真撮影してもらい、最終発表会で感想を含めて紹介してもらうという企画である。
12月20日には後半の実習を行った。超音波診断機器や光トポグラフィなど、普段触れる機会がない機器に触れ、装置の操作や仕組みについても興味をかき立てられた様子であった。
最終日には、実習のうちから各参加者が興味を持った実習項目を選択し、その内容や周辺の知識について、また月曜日に実施した学外活動の成果についてプレゼンテーションを実施し、内容についてディスカッションした。参加者は技術的な内容のみならず、滞在中の様々な興味深い体験に充実した時間を過ごした様子がプレゼンテーションから伝わってくるような内容であった。特に食文化に対しては興味が高かったようで、様々な料理の写真と感想などが報告された。
プレゼンテーション終了後、学長にプレゼンターをお願いして修了証の授与を行い、修了証とともに記念撮影を行った。その後、お別れパーティを行い、短期間ではあるが交流を深めてきた受け入れ先の学生と別れを惜しんだ。