2022年度 活動レポート 第74号:静岡県

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第074号 (Aコース)

健康長寿世界一を目指して

静岡県からの報告

 静岡県では、インドネシア西ジャワ州政府の協力を得て、西ジャワ州から選抜された高校生8名を本県へ招へいしました。本県と西ジャワ州政府とは、平成29年11月に「人材育成および経済分野での協力推進に係る覚書」を締結し、人材育成および経済分野での交流を推進しています。

 プログラムでは、静岡県の特徴の一つである「健康長寿」をはじめ、「健康」、「医療」分野における本県の最新の研究や技術・取組を学んでもらうため、県内の大学や研究機関を訪問しました。静岡県は東西に長いため、県内を西から東に移動し、本県全域の文化等に触れることのできる行程としました。また、本県への留学に興味を持ってもらうため、各大学訪問時には、インドネシア人留学生や日本人学生との交流時間を設けました。

 県西部地域では、静岡大学工学部を訪問するとともに、浜松医科大学とオンライン交流を行いました。静岡大学では、医療機器開発に関する講義を受講し、研究室の見学や血中酸素濃度の測定器の体験の後、同学のインドネシア人留学生の先輩とハラール昼食を食べ、静岡の生活や大学の授業についての経験談を聞きました。浜松医科大学では、こどもの脳の発達について講義を受け、いずれの大学においても生徒達一人一人が熱心に質問をしていました。

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静岡大学研究室での酸素濃度計測器体験

 県中部地域では、静岡県立大学薬学部、ふじのくに地球環境史ミュージアム、東海大学海洋学部を訪問しました。静岡県立大学では、薬学に関する講義を受けた後に研究室を訪問し、実際に錠剤が作成される過程を体験しました。生徒達は初めて目にする機器の動きをとても注意深く観察していました。全国初の地球環境史の博物館であるふじのくに地球環境史ミュージアムでは、静岡のもつ豊かな自然について理解を深め、自然を守り、持続可能な社会の在り方について考えました。東海大学海洋学部では、生徒達にも身近な食の安全性についての講義を受けました。また、日本に留学し就職経験もある(公社)ふじのくに地域・大学コンソーシアムの専門員から、日本での生活について説明を受け、将来の日本留学についてより具体的なイメージを膨らませることができたと感じています。

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静岡県立大学での集合写真
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ふじのくに地球環境史ミュージアムでの様子

 東部地域では、順天堂大学保健看護学部を訪問するとともに、国立遺伝学研究所とオンライン交流を行いました。順天堂大学保健看護学部では、医療現場で実際に利用されている器具を使用した看護の体験を行いました。また、音楽を通じた文化交流を日本人学生と行い、生き生きとした表情で楽しんでいた様子が印象的でした。国立遺伝学研究所とのオンライン交流においては、微細藻類の産業利用についての専門的な講義を受講しました。

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順天堂大学保健看護学部での医療機器体験

 終了後に行った生徒達へのアンケートにおいては、プログラムにより静岡の技術、文化、日常生活を実際に見たことで、将来静岡県に留学したいという声が多数ありました。今回の来日をきっかけとして、生徒達が将来静岡の大学等に留学してくれることを祈っています。

 プログラムの実施に当たっては、県内の受入れ機関のご協力により、本県高等教育機関等の高い教育・研究力を発信するとともに、日本や本県への留学に対する関心を高めることができました。協力機関の皆様に今一度お礼を申し上げると共に、引き続き西ジャワ州との交流を推進して参りたいと思います。