2022年度 活動レポート 第70号:立命館大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第070号 (Aコース)

生命科学野における東南アジア高度人材の養成を目指した交流プログラム

立命館大学生命科学部からの報告

 立命館大学生命科学部では、さくらサイエンスプログラムの採択を受け、今年度は2年ぶりの実招へいとして、2022年12月1日~12月7日の期間、タイのチェンマイ大学、カセサート大学、コンケン大学、ラオス国立大学、インドネシアのブラウィジャヤ大学の計5大学から18名の学生と教員にご参加いただきました。本プログラムでは、これまで長年に渡り培ってきた協力関係を今後さらに強化し、双方向の学生交流・研究者交流およびさらに高度な国際共同研究交流に発展させることを目的としています。今年は、去年一昨年の2回のオンライン開催での出席者を中心に共同研究に興味がある学生を招き、以下のプログラムを行いました。

【学生研究室交流、教員間ミーティング】

 学生研究室交流では過年度にオンラインで交流を行った研究室、あるいは招へい者と研究分野の近い研究室に招へい者を配属し交流を行いました。招へい者、受け入れ研究室双方の研究内容の発表、実験や研究の見学、ラボミーティングへの参加を研究室ごとに実施しました。

 教員間ミーティングでは、引率教員および当研究科長、国際担当副研究科長にてミーティングを行い、過年度のさくらサイエンスでの成果、これまで協定校より受け入れた留学生の修了後進路、今後の入試制度や奨学金について説明・意見交換をし、さらなる受け入れの促進と協力関係の強化を図りました。

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教員間ミーティング

【体験による学び】

1.フィールドワーク

 大学キャンパスに隣接する里山において、久保研究室の里山資源循環プロジェクトについて学びました。午前は教室にて久保教授より講義を受け、午後からは現地に移動し、里山で作られる資源を利用した農作物の有機栽培、山林管理や農地管理よる下流の池の水質改善などを学びました。

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里山での講義

2.日本文化体験

 京都にて着付け体験と茶道体験を行いました。紅葉が美しい京都の歴史的建造物や街並みを着物で散策し、茶道では歴史、作法を学びました。

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着物で京都を散策

 参加者アンケートによると、実招へいで可能となった体験による学びは、最も満足度が高い結果となりました。日本の里山の環境を活かした農業、牟礼山頂から見える琵琶湖や、美しい日本の四季のある風景、着物・茶道文化や歴史を目で見て体験することで、さらに日本への理解と関心を深めることができました。

【在校生との交流】

1.在学留学生による日本生活紹介

 当大学に在学中の留学生5名が大学での研究、日本での生活について紹介しました。その後の質疑応答と合わせて日本での留学生活に関する多くの情報を共有しました。

2.日本語授業

 日本語講師を招き、日本語を学習中の留学生と日本人学生をTAとし、日本語授業を行いました。前半では自己紹介の仕方を学び、TAに助けてもらいつつ日本語でそれぞれ自己紹介をしました。後半では形容詞を学び、その形容詞についてのOXクイズ、かるたゲームなどを行いグループで競い合いました。日本語に興味を持つと同時に在学生と交流を深めました。

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招へい学生の日本語での自己紹介

3.招へい学生による自国の文化紹介とプログラム活動発表

 修了式では招へい学生が自国の文化紹介と本プログラムの活動発表を行いました。今回のプログラムで交流した教員、在学生、職員が見学し、また招へい学生が披露した民族舞踊やゲームに参加しました。

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招へい学生の民族舞踊

【今後の展望】

 今回実招へいが可能になったことで、招へい学生達は過年度のオンライン交流で築いてきた共同研究や日本での新しい研究の可能性について実際に目で見て体験することが出来ました。終了後アンケートでは、「プログラムを通して将来の共同研究に対する興味が沸いたか」という質問に対して、「とても沸いた」と回答した学生91%を含めて肯定的回答は100%でした。プログラム全体の満足度も肯定的回答が同じく100%に達しました。

 参加者の数名は、すでに来年度からの正規留学生としての入学意思を示しており、今回のプログラムは留学生獲得に非常に効果的だったと言えます。今後も各大学とさらなる国際的共同研究を推進していくとともに、さくら招へいプログラムに申請する予定です。
 今年度はコロナ禍での対面実施となりましたが、各協定校の教職員の方々には事前準備から本番当日までご協力いただきましたこと、心より御礼申し上げます。またご支援いただきました科学技術振興機構の皆様にも深く感謝申し上げます。