2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第058号 (Aコース)
多くの困難を乗り越えて、3年ぶりに中国からの招へいプログラムを実施
朝日大学からの報告
2022年12月2日から9日まで、朝日大学歯学部は「さくらサイエンスプログラム」の支援を受け、中国江西省の南昌大学口腔医学院から学生8名、教職員2名の計10名を受け入れ、8日間にわたる研修を実施しました。
新型コロナウイルス感染拡大以降、オンラインでの交流経験を経て、非常に厳しい状況の中、多くの問題をクリアした中国からの受け入れは、本大学にとっても3年ぶりの招へいプログラム実施になります。「高齢化社会における歯科治療法と最先端技術の習得」をテーマに掲げ、超高齢社会への対応を軸とした日本型歯科医療について、中国の研修生らに日本の最先端科学技術を紹介しました。
研修では、本学での講義受講、併設医療機関の訪問を実施したほか、一般開業歯科医院で高齢者を含む地域に密着した歯科治療見学や各務原市の歯科技工所でディジタルデンティストリーの現場を見学しました。
また、岐阜県知事、在名古屋中国領事館を訪問し、日本での研修内容について報告しました。異文化体験では、関市で刃物伝統を体感し、高山市の古い町並みや歴史的建造物の見学など、岐阜県における日本の伝統文化を体験しました。
以下で、活動の一部をご紹介します。
1.朝日大学にて講義、実習を受講
本学歯学部近藤教授による「中国産プロポリスを用いたリンパ球の免疫力向上効果」や玉置教授によるSDGsに沿った「使用済みのアルジネート印象材から研磨材としての再利用について」の講義、二階堂教授による「バーチャルシミュレーション(Simodont®︎やSIMROID®︎)の体験実習」を行いました。
2.歯科技工所を見学
昨今の貴金属高騰やディジタル化の歯科界への広がりから、ディジタルデンティストリーをテーマに、東海エリア最大級の歯科技工所である有限会社アルファー工房を訪問し、印象採得→模型作製→技工物(金属)作製という従前の歯科技工物制作手順からCAD/CAMシステムへの技工所のディジタル化への変遷と実際を見学しました。特に引率教員の一人は補綴学が専門で、学生と共に熱心に質問をしていました。
3.岐阜県知事表敬訪問
岐阜県と江西省が友好提携を締結していることから、岐阜県知事を表敬訪問し、今回の「さくらサイエンスプログラム」の研修意義と、歯科医療分野における両大学の教育的役割について説明し、古田知事からも両大学および岐阜県と江西省との継続的な交流に期待が寄せられました。
■研修生の感想(抜粋)
- 私が最も感銘を受けたのは、日本の文化、特に建築様式がとても素敵なことです。日本の先生も生徒もとても温かいです。私たちも朝日大学のみなさんが中国に来ることを歓迎し、私たちの友情が永遠に続くことを望んでいます。
- この交流プログラムでは、日本の文化や口腔外科の医療技術に触れることができました。本当に楽しかったです。
- この交流を通じて、私は日本の文化や教育についてより深く理解することができました。日本の環境はとても美しく、先生も生徒も親切で、多くの先進的な場所を知ることができました。また日本に来るのが楽しみです。
本プログラムは、新型コロナウイルスの世界的蔓延後、さくらサイエンスプログラムとして初の中国からの受入れと聞いております。JSTの多大なるご指導、ご協力に感謝いたします。