2022年度 活動レポート 第57号:昭和女子大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第057号 (Aコース)

Designing the Future:PBLとフィールドワークを通した社会構想

昭和女子大学からの報告

 昭和女子大学 人間社会学部 現代教養学科では、2022年12月15日から12月21日までの1週間、ブータン王立大学(Royal University of Bhutan)から学生を短期招へいするプログラムを実施しました。ブータン王立大学から、10名の学生と2名の引率者、計12名が来日し、現代教養学科の学生とともに学び、ともにフィールドワークを行い、そして、ともに語り合う、そんな1週間となりました。

 12月15日、羽田空港で出迎えた招へい者たちは、ブータンからタイ・バンコクで乗り継いで15時間以上に及ぶ長旅にさすがに疲労困憊の様子でしたが、同時に、初めて訪れる日本での体験に胸躍らせているようでした。その後、三軒茶屋の昭和女子大学キャンパスへお連れして、開会式、キャンパスツアー、そしてオリエンテーションを実施しました。

 続く2日目は、渋谷のフィールドツアー、特別講義、そして、歓迎会・異文化交流会を実施しました。ツアーでは、スクランブル交差点や東急プラザをはじめとする渋谷の有名スポットを案内しました。ツアーの企画・運営を担当した本学の学生にとっても、改めて渋谷の魅力を発見する良い機会になったようでした。歓迎会・異文化交流会では、日本の遊びやお菓子を紹介し、また、ブータンの皆さんからもお祭りや遊びなどの文化を紹介して頂きました。双方の学生にとって、お互いの国の文化を共有できる貴重な機会となりました。

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2日目 意見交換会で互いに自己紹介する招へい者と昭和女子大学生

 3日目は、現代教養学科が通年科目として開講している「社会調査研修」とのコラボレーションで、同授業の受講生とともに、日本橋、谷根千(谷中・根津・千駄木)、そして、巣鴨〜滝野川を巡りました。「社会調査研修」の受講生は、この日のために、各エリアの英語版まちあるきマップを作成し、ブータンのみなさんに向けて英語で街を案内するという大役を務めてくれました。

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3日目 日本橋エリアにおけるフィールドワーク

 4日目は、ブータンの建国記念日を祝うブータンデー2022を、日本ブータン友好協会との共催で実施しました。このなかで、昭和女子大学とブータン王立大学、それぞれの学生が、日本とブータンの学生生活についてそれぞれプレゼンテーションを行い、大学での学び方や食文化の違いについて意見交換を行いました。ブータンとの国際交流に長年携わってきた方にも沢山ご参加いただき、充実した時間となりました。

 5日目となる12月19日は、台場・浅草ツアーを実施しました。午前中はお台場の日本科学未来館を訪問しましたが、ブータンの学生はみな、日本の最先端の技術に興味津々で、勉強熱心な様子が伺えました。午後は浅草へ移動し、浅草寺ではおみくじを引いたり、仲見世通りでお土産やたこ焼きを買ったりと、日本らしい景色や体験を思い思いに楽しんでいる姿が見られました。

 6日目は、午前中に現代教養学科1年生必修授業である「地域をみる目」に、ブータンの学生たちにも参加してもらい、ブータンについての学びを深めました。「地域をみる目」受講生には、事前にブータンを題材にした映画を鑑賞し、ブータンについての質問を出してもらった上で、この日の授業に参加してもらいました。ブータンの学生が英語を流暢に話す姿を見て、受講生たちも大いに刺激を受けたようでした。

 そして最終日。この日はまず、「言語の壁を越えて協働する」をテーマに、合同ワークショップを行いました。非言語コミュニケーションや最先端の翻訳技術を活用したコミュニケーションなど、互いに言葉が通じなくてもさまざまなコミュニケーション手段があることを学んでもらいました。その後、成果報告会・修了式を実施し、1週間にわたるプログラムは滞りなく終了しました。

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7日目 成果報告会後、修了証を受け取った招へい者とともに最後の集合写真

 今年度は、昨年実施が叶わなかった対面での招へいプログラムが実現したことが何より嬉しいことでした。また、プログラムに関わった昭和女子大学の学生・教員もみな、久しぶりの国際交流に胸を躍らせていた様子が印象的でした。「英語が苦手」と言っていた学生も、実際に会って交流を進めていくうちに、コミュニケーションを取る上で語学は一つのツールでしかない、ということを体験的に学んだようでした。

 最後に、本プログラム実施にあたり、ご支援いただいた さくらサイエンスプログラム、ご協力をいただいた学内外のみなさまに、この場を借りて厚く御礼申し上げます。