2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第048号 (Aコース)
Experience of research on energy storage and conversion technology
広島大学自然科学研究支援開発センター
准教授 宮岡 裕樹さんからの報告
本プログラムでは、インドのSuresh Gyan Vihar University、Malaviya National Institute of Technology Jaipur、S.S. Jain Subodh P.G. (Autonomous) CollegeからAnkur Jain教授をはじめとした教員3名、大学院生11名、大学生2名の計16名を招へいし、8日間の日程で科学技術体験、文化体験、および人材交流を実施した。
インドは経済発展の著しい国であり、今後更なる人口増加およびそれに伴うエネルギー需要の増加が予想されているため、科学技術政策の強化に基づき水素や電池をはじめとするエネルギー利用技術の発展が求められている。本プログラムでは、エネルギー貯蔵および変換技術に関する研究を行っている実施主担当者らの研究グループを訪問し、最先端の材料研究や実験技術等を学ぶと共に、広島の世界遺産等を訪れ日本文化に触れることを目的とした活動を行った。
科学技術体験においては、本研究グループで進めている水素貯蔵材料の特性評価や利用技術、熱化学サイクルを用いた水素製造、エネルギーキャリアであるアンモニア、全固体リチウムイオン二次電池、カーボンリサイクル技術等に関連する研究について講義形式で紹介を行うと共に、招へい者らの研究についての意見交換を実施した。また、本研究グループで保有する試料合成装置、反応評価装置、熱分析装置、分光分析装置といった研究設備の見学を行うと共に、実際に試料特性評価や分析等の体験実習を行った。
加えて、広島市内のイワタニ水素ステーションの見学を実施し、最新の規制に基づいた設備、水素燃料電池自動車の仕組み、水素の給燃方法等について学んだ。いずれの活動においても、参加した職員や学生からは多くの質問が寄せられ、研究内容や実験技術、エネルギーや水素利用等に関して活発な議論が行われた。
文化体験においては、世界遺産である厳島神社(宮島)、原爆ドーム(平和記念公園)を訪れ、日本や広島の文化、歴史等を学んだ。上記の活動においては、広島大学の大学院生等も積極的に参加し、国際的な人材交流を行った。
本プログラムにて行った活動を通して形成したネットワークを基に、インドとの連携をさらに強め、共同研究への展開や人材交流の促進を進めることで、両国のエネルギー利用技術の更なる発展に繋げたいと考えている。