2022年度 活動レポート 第40号:熊本県水俣市

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第040号 (オンライン)

水俣の教訓と地域の現状及び課題を理解し、持続可能な社会発展を考える

水俣市からの報告

 水俣市では、2022年10月4日から11月25日の期間、日越大学(ベトナム)の学生を対象に、水俣病について学び、その教訓に基づいた持続可能な社会発展の構築について学び考えるオンライン研修を実施しました。

<研修初日>

 研修生たちはオリエンテーションの後、「水俣市の概要・SDGs未来都市への取組」等について水俣環境アカデミア・古賀所長より講義を受けました。その後、九州大学・チン先生による「新国富指標による地域持続可能性」に関する講義を受けました。

<研修2日目>

 「水俣病の概要」について水俣病資料館職員より講義を受け、その後、水俣病語り部による講話を受け、その経験や思いについて学びました。

<研修3日目>

 研修では、国立水俣病総合研究センターの講義を受け「センターの概要・環境中の水銀・人への水銀曝露」について学びました。その後、水俣環境アカデミア・古賀所長による「水俣地域における水銀対策にも資する環境保全手法の実態調査」に関する講義を行いました。

<研修4日目>

 研修では、水俣環境クリーンセンターにおける「高度ごみ分別・処理」に関する講義を行い、その後、熊本県環境センター・篠原館長による「水俣湾公害防止事業」の講義を受けました。

活動レポート写真1
水俣市環境クリーンセンターによる講義

<研修5日目>

 山間部の寒川地区で取り組まれている「小水力発電」に関する講義を受け、その後、JNC株式会社による事業への取組、水力発電事業について講義を行いました。

<研修6日目>

 環境技術関連企業を集積した「水俣エコタウンの概要」を市経済観光課企業支援センターが説明を行いました。その後、水俣エコタウン企業である株式会社田中商店(びんのリユース事業)、株式会社アール・ビー・エス(し尿処理リサイクル事業)が講義を行いました。

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講義「し尿処理リサイクル(水俣エコタウン)」

<研修7日目>

 久木野ふるさとセンター愛林館・沢畑館長による「里山の保全について(愛林館の取組)」についての講義を行いました。その後、水俣ダイビングサービスSEA HORSE・森下代表による「水俣湾における海洋生物」に関する講義を行い、新種のタツノオトシゴであるヒメタツ等にまつわる話をしていただきました。

<研修最終日>

 熊本県立大学国際交流センター・レイヴィン先生をファシリテーターに迎え、研修のまとめを行いました。これまでの研修内容を踏まえ、研修生がグループごとに(1)水俣病、(2)自国の環境問題について発表を行い、日本語での発表に挑戦するグループもありました。参加者からは、「水俣病の教訓や、水俣市への環境問題の取組など、たくさん学ぶことができた。」「水俣に実際足を運んで、現在の水俣を自分の目で見てみたい。」などの声が聴かれました。

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最終日ディスカッション(研修生発表)