2022年度 活動レポート 第39号:熊本県水俣市

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第039号 (オンライン)

水俣病を正しく理解し、環境問題について考える

水俣市からの報告

 水俣市では、2022年8月30日から9月29日の期間、水俣病の正しい知識を学ぶとともに、環境問題や水銀分析技術、地域の再生・活性化への取組を学ぶオンライン研修を実施しました。 オンライン研修には、カセサート大学(タイ)、国立台北科技大学(台湾)の学生26名が参加しました。

<研修初日>

 研修生たちはオリエンテーションの後、「水俣市の概要・SDGs未来都市への取組」等について水俣環境アカデミア・古賀所長より講義を受けました。

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水俣環境アカデミア・古賀所長による講義

<研修2日目>

 水俣病資料館による「水俣病の概要」で水俣病について学び、また、水俣病語り部による講話を受け、その経験や思いについて学ぶことができました。

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水俣病資料館講義

<研修3日目>

 国立水俣病総合研究センターの概要・環境中の水銀・人への水銀曝露について学びました。その後、熊本県環境センター・篠原館長による「水俣湾公害防止事業」の講義を受けました。

<研修4日目>

 「水銀分析技術」「アジア太平洋地域水銀モニタリングネットワーク」について、いであ株式会社の講義を受けました。

<研修5日目>

 水俣環境アカデミア・古賀所長による「水俣地域における水銀対策にも資する環境保全手法の実態調査」に関する講義を行いました。その後、国連環境計画国際環境技術センターのプログラムオフィサー・本多様による「国連環境計画の取組」についての講義を行いました。

<研修6日目>

 水俣市環境クリーンセンターにおける「高度ごみ分別・処理」に関する講義を行い、その後、JNC株式会社による事業への取組、水力発電事業について講義を行いました。

<研修7日目>

 水俣エコタウン企業である株式会社アール・ビー・エスの「し尿処理リサイクル事業」についての講義を行いました。その後、水俣ダイビングサービスSEA HORSE・森下代表による「水俣湾における海洋生物」に関する講義を行い、新種のタツノオトシゴであるヒメタツ等にまつわる話をしていただきました。

<研修最終日>

 熊本県立大学国際交流センター・レイヴィン先生をファシリテーターに、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)北九州アーバンセンター・林プログラムディレクターをコメンテーターに迎え、研修のまとめを行いました。これまでの研修内容を踏まえ、研修生がグループで(1)水俣病(2)自国の環境問題について発表、その後、ディスカッションを行いました。

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最終日ディスカッション①(左:熊本県立大学・レイヴィン先生 右:IGES北九州アーバンセンター・林プログラムディレクター)
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最終日ディスカッション②(水俣研修プログラム参加者)

 最後に水俣環境アカデミア・古賀所長が「この研修で学んだことを、皆さんの国で役立ててほしい。今回はオンラインによる研修であったが、ぜひ水俣を訪れ、現在の水俣を見てほしい」とコメントを行い、研修を締めくくりました。