2022年度 活動レポート 第34号:宮崎県立延岡高等学校

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第034号 (Aコース)

環境に配慮した工業都市づくりを実現する高校生の交流

宮崎県立延岡高等学校からの報告

■概要

 延岡市は日本有数の工業都市であり、1971年に当時の(株)旭化成工業(現、旭化成(株))と公害防止に関する協定を締結して以来、市民の暮らしを守るため、様々な活動を行ってきました。また宮崎県西臼杵地域は「ユネスコエコパーク祖母・傾。大崩」に指定されていますが、1971年に明らかとなつた「土呂久公害」が発生しており、その教訓を生かした持続可能な社会作りが実践されてきました。

 本プログラムでは九州保健福祉大学の研究者による講義・演習、また土呂久公害について、現地での記録ビデオ視聴を通して、日本とタイ両国の高校生が工業発展と人々の安全な暮らしについて、協働的に学ぶ機会を提供するものです。また本プログラムは事前オンライン交流(7月~9月)、本プログラム(10月23日~29日)、本校生のタイヘの派遣(1月)と、研究を深める計画になっています。

■都内研修

 来日初日、タイの生徒は、国立科学博物館と浅草で研修を行いました。

 みんな元気で体調も良いようです。ニコニコしている生徒が多いです。

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国立科学博物館のシロナガスクジラ模型前にて

■歓迎式典

 タイの生徒は、午前に東京から宮崎に移動し、午後には延岡高校の生徒達と対面しました。終始、明るい雰囲気で楽しそうにしていました。歓迎式典ではタイの民族衣装に身を包み、民族舞踊を披露していただきました。

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歓迎式典でステージ上に並ぶタイの生徒

■体験授業

 体験授業を5時間(選択性)実施しました。内容は次のとおりです。数学では延岡高校とタイの生徒が在籍するランシット校の距離を計算によって求める方法を班毎に考え、発表しました。また、この日からタイの生徒は、延岡高校の生徒宅へ4泊、ホームステイしました。

数学 延岡高校とSKRの距離を測る
世界史 日本とタイの紹介(クイズ形式)、日本の文化を通しての交流
書道 蒔絵体験
家庭科 手巻き寿司
音楽 日本の唱歌「もみじ」を歌う
英語 折り紙文化の紹介
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数学の授業で議論する日本とタイの生徒

■常在菌に関する共同研究発表

 7月からオンラインで進めてきた常在菌に関する共同研究について、グループ毎に発表資料をまとめ、共同研究発表を行いました。グループ内に日本とタイの生徒が混在しているのですべて英語で議論を深めながら、英語で発表しました。

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共同発表する日本とタイの生徒

■九州保健福祉大学での研修

 タイの高校生と本校の生徒が宮崎県延岡市の九州保健福祉大学で、環境問題を科学的に捉えた実験テーマに取り組み、大学の最先端の実験装置を操作しながら探究を深めました。生徒の科学的好奇心が高まったようです。選択性で取り組んだ実験テーマは次のとおりです。

  • 蛍光顕微鏡を利用した消毒薬の効果検討
  • 限られた水量でどこまできれいに手を洗えるか
  • グラム染色法の習得と顕微鏡観察
  • ダイアライザーを利用した浄化水の作成
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「限られた水量でどこまできれいに手を洗えるか」について手に残った汚れを確認する日本とタイの生徒

■土呂久公害・世界農業遺産研修

 高千穂高校で、UMKテレビ宮崎から寄贈していただいた土呂久公害に関するドキュメンタリーを観て、生徒が英語で説明する研修を行いました。

 午後は世界農業遺産「天安河原」を訪れました。台風14号の被害対応で設置されていた仮設の歩道が撤去され、ずいぶんと歩きやすくなっていました。

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土呂久公害に関するドキュメンタリー映像を現地で視聴する日本とタイの生徒

■研修のまとめ

 最終日は、研修のまとめを行いました。タイの生徒が午前中に発表資料を作成しました、午後は発表資料を用いて日本の生徒に対して英語で発表し、英語で質疑応答を行いました。

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日本の生徒に対して研修のまとめを英語で発表するタイの生徒