2022年度 活動レポート 第32号:金沢工業大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第032号 (Aコース)

高度先端科学技術の活用によるソーシャル・イノベーションの具現化

金沢工業大学 バイオ・化学部 応用化学科
教授 坂本 宗明さんからの報告

 さくらサイエンスプログラム支援のもと、シンガポール共和国 Singapore Polytechnic(SP)から4名、インドネシア共和国 Universitas Muhammadiyah Makassar(UNISMUH)から5名、ベトナム社会主義共和国 Ho Chi Minh city college of economics(HCE)から5名の学生に各校からの引率者3名を加えた計17名が、金沢工業大学の学生21名と共に、オンラインとオンサイト(現地活動)を融合した4段階から成るソーシャル・イノベーション活動に取り組みました。以下に、各段階の概略を示します。

■第一段階:我が国におけるオンライン観光の調査と課題の把握

 招へい対象であるSP、 UNISMUH、HCE各1名および、本学学部生複数名からなるチームに分かれ、令和4年9月12日から14日の3日間にわたる渡航前事前活動に取り組みました。この事前活動では、Zoom Meetingsなどのオンラインツールを活用し、多国籍・異分野融合チームとして活動を行なうための素地作り、既存オンライン観光プログラムの体験と調査、観光のプロフェッショナル(エイチ・アイ・エス株式会社様 東京およびマレーシア支店、飛騨高山における協力会社)への聞き取り調査などを行ないました。学生たちは得られた情報をオンラインで共有し、デザイン思考の手法を用いた課題発見・解決を行い、その結果を「新しいオンライン旅行の形」として関係者に報告し、フィードバックを受けました。

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オンライン観光をテーマとした課題発見活動

■第二段階:コンテンツツーリズムの現地調査

 来日後、学生チームは金沢市内における現地調査に赴きました。招へい学生と本学学生がチームとなって金沢市内におけるコンテンツツーリズムや既存施設を調査し、COVID-19パンデミック前後においても変わらない「旅行の本質」についての気づきを得ていました。

■第三段階:先端科学技術体験とその利活用

 活動2日目には、本学夢考房(ファブリケーション・ラボラトリ)において3Dプリンタやレーザ加工機など先端科学技術を活用したものづくりに加え、その礎となっている加工機械、さらには学生が作成したロボットなどを見学・体験し、コンテンツツーリズムの実現に対して、我が国の科学技術が何を提供できるのか、どのような活用の幅があるのかを知る機会となりました。

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本学夢考房における先端科学技術体験
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情報を共有し、課題に対するアイディアを創り出す学生たち

■第四段階:オンライン・オンサイト融合型コンテンツツーリズムの実現に向けた提案

 第一から第三段階の活動を通じて、学生チームは、我が国におけるオンライン旅行、コンテンツツーリズムの状況、科学技術の根底に存在する文化を把握しました。そして、その過程で見いだされた課題、たとえば旅行において良好な体験を阻害する要素を如何にして取り除くか、などの解決において、我が国の科学技術を如何にして活用するかという観点を加えた報告を行ないました。チーム毎の報告は金沢の会場と東京、マレーシアをオンラインで結んで行なわれ、活発な質疑応答が行なわれました。

 また、帰国前日に国立科学博物館の見学を通じて、過去から現在に至る日本の技術の変遷と先人達の歩みを学ぶと共に、浅草周辺を探索し、都鄙の共通点・相違点を肌で知り、日本文化の多様性に触れる場としました。

 最後に、本プログラムは本学において初のオンライン・オンサイト併用型交流と成りました。これまでのオンサイト活動のみの場合と比較して、初日から学生達が打ち解け合い、7日間という短い期間にも関わらず、文化や分野を超えた学びに加え、我が国における将来的な学びや就業のきっかけとなり得る体験を提供できたと思われます。今後も、異分野・異文化協働を基盤とし、日本の科学技術・文化を実践的に活用したソーシャル・イノベーションプログラムを継続的に提供してゆきたいと考えています。

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オンライン・対面を併用した活動報告会を実施