2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第023号 (Aコース)
実際に見て、触れて、食べることで三重県の農業を学ぶ
三重県からの報告
三重県は、JSTさくらサイエンスプログラムにより、2022年9月12日~9月18日の7日間の日程で、友好提携先であるパラオ共和国から、太平洋研究アカデミーより研究者1名、パラオ短期大学より学生4名および研究者1名、パラオ高校より高校生5名および教員1名、コロール州政府より職員1名、農業・漁業・環境省農業局より職員1名の計15名を招へいし、三重県内の農業研究施設や農業高校、大学を訪問し、農業分野の研修および交流を実施しました。
三重県とパラオ共和国は、1996年7月に友好提携を締結し、今年で26年目を迎えました。締結以来、様々な分野で協力・交流を行っています。今回の招へいは、昨年迎えた友好提携25周年記念事業のひとつとして、また、昨年農林水産省とパラオ共和国農業・漁業・環境省の間で締結された「日パラオ農業協力に関する覚書」に基づく「日パラオ農業協力促進のためのタスクフォース」の活動の一環として、開催しました。
<1日目>
中部国際空港に到着したのち、午後から三重県庁を訪問し、廣田恵子三重県副知事に表敬訪問を行いました。
<2日目>
大学生以上のグループと高校生のグループに分かれ、それぞれ研修を受けました。
①大学生以上グループ
JA多気郡にて県農業改良普及センターより普及事業・産地育成の概要について説明を受けた後に実際の作業を見学し、農園や圃場の視察を行いました。
②高校生グループ
県立四日市農芸高等学校を訪れ、実習に参加して生徒たちと一緒に農作業に取り組み、四日市農芸高校で行われている農業学習について学びました。また、お互いの学校について紹介しあったり、収穫された野菜を使ったサラダを一緒に試食したりして交流を深めました。
<3日目>
2日目と同様に二つのグループに分かれて研修を受けました。
①大学生以上グループ
県の農業研究所、農業大学校を訪問し、三重県の先端農業研究についての講義を受けたほか、植物工場や野菜栽培圃場や農作業機械の見学をしました。
②高校生グループ
午前は県立久居農林高等学校を訪れ、農場の見学、梨やブドウの収穫体験を行いました。午後からは農園を視察し、精米工場などを見学しました。急遽、コンバインの乗車体験をさせていただくこととなり、生徒たちも貴重な経験に喜んでいました。
<4日目>
4日目からは、全員が同じ行程で研修を受けました。
午前中は、農業研究所伊賀研究室にて、ぶどうや水稲の栽培研究に関する講義と栽培研究圃場の視察を行いました。さらに、実際にぶどうの試食をさせていただきました。ほとんどの研修生にとって初めてのぶどうでしたが、とてもおいしいと好評でした。
午後は、日本文化体験として、「伊賀流忍者博物館」を訪問。全員が忍者衣装に着替え、三重県に歴史のある「忍者」について学び、日本と三重県の文化への理解を深めました。中でも、博物館の中で見学した忍者ショーは大変な盛り上がりを見せました。
<5日目>
三重大学を訪問しました。三島隆准教授より「食品加工」について、塚田森生教授より「ミバエ防除」について、王秀崙教授より「農業機械」についての講義を伺ったほか、附帯施設農場の見学、生物資源学研究科の学生との意見交換会を行いました。その後、学生と一緒に、調理実習交流会を開催しました。あまり野菜を食べる習慣のないパラオの学生たちに野菜に親しんでもらうため、三重県産の野菜をふんだんに使用し、カレーとサラダを作りました。三重県の学生、パラオの研修生みんなで協力し、どの班もおいしくできあがりました。
<6日目>
三重県内の農産物直売所「朝津味」を訪れ、三重県で実際にどのように野菜が販売されているのかを見学しました。その後、修了証交付式を実施し、参加した研修生一名一名に国際戦略課長より修了証が手渡されました。
<7日目>
関西国際空港より、パラオへと帰国しました。
本プログラムの実施にあたり、JSTさくらサイエンスプログラム、在パラオ共和国日本大使館、駐日パラオ共和国大使館、各送出し機関、各受入れ機関の皆様に多大なご支援とご協力をいただきました。協力機関の皆様に今一度厚く御礼申し上げます。
三重県は今後も、パラオ共和国とのさらなる交流を深めていきます。