2022年度 活動レポート 第20号:広島大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第020号 (Aコース)

ひろしま好きじゃけんコンソーシアム・課題解決型アントレプレナーシッププログラム

広島大学学長特命補佐(研究力強化担当)
准教授 小林 遼平さんからの報告

 本プログラムでは、多くの大学発スタートアップを有するインド・バーラ技術科学大学ピラニ校(BITS Pilani大学)の学生を広島大学に招へいしました。広島大学を中心に構成する次世代型産学官連携支援体制である「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」の会員企業の協力を得て、地域課題の理解や発想力・課題解決力の向上を目指す実践的なアントレプレナーシッププログラムになることを目指して取り組みました。

 本プログラムは、広島大学の研究者の協力はもとより、地域におけるエコシステムモデルの環境を醸成するため、地域の企業や学生を中心に、4社の企業、起業または国際交流に興味のある学生達約20名の参加・御協力いただきました。

<1日目_企業訪問>

 ひろしま好きじゃけんコンソーシアムの会員企業であり、広島大学が所在する東広島市に居を構える企業である「マイクロンメモリジャパン」の工場を訪問しました。特殊な製造工程の見学やインドからの先輩従業員との交流を行いました。

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マイクロンの従業員との意見交換

<2日目_研究室訪問>

 研究室訪問とワークショップを実施しました。広島大学栗田雄一教授の研究室である「人間拡張実装プロジェクト研究センター」では、人の運動主体感や身体保持感を損ねない機器を開発するために、人のもつ感覚運動特性の理解とモデル化に関する研究開発の現場を実際に体験しました。また、「デジタルものづくり教育研究センター」では、大学を始めとする地域の力を活用して、ものづくりのバリューチェーン全体のデジタル化の様子を見学しました。

 午後からは、広島大学松浦康之講師による「バイオデザインワークショップ」に日本人学生とともに参加しました。胃カメラなどの医療機器に係る顧客の課題の抽出・課題解決できる商品の思考・事業化に向けたアイディアなど一連のプロセスをワークショップ形式で学びました。

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広島大学の研究室を訪問するBITS Pilaniの学生達

<3日目_実践型ワークショップ>

 広島大学の牧野恵美准教授や学生とともに、オオサンショウウオの生息地の生態系調査と町屋にて杉玉に関するワークショップを行いました。生態系調査では清水則雄准教授の指導の下、清流に生息するオオサンショウウオの餌となる生き物を捕獲し観察しました。BITS Pilaniの学生は日本の清流でしか見られない魚たちに大興奮でした。捕まえた魚を手掴みで種類ごとに分ける作業では、初めての体験に驚きながらも新鮮な体験で楽しかったと話していました。

 町屋ワークショップでは、日本酒と杉玉の関係から杉玉の歴史を学んだり、酒蔵通りを散策し、実際の杉玉を見物しました。杉玉を自分好みにデザインしたワークは大盛り上がりで自由な発想をお互いに共有しあうことを楽しんでいました。杉玉を通して日本酒や町屋などの地域の伝統に価値を見出した取り組みに触れることができました。

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オオサンショウウオの生息地の生態系調査を実施する学生達

<4日目_企業訪問>

 広島市内の企業訪問を中心に実施しました。

 午前中は、インドに本社をおく自動車部品のエンジニアリングサービスを展開している「サティヤムベンチャーエンジニアリングサービス 日本支店」を訪問しました。マツダ株式会社をはじめ多くの大手自動車メーカーや部品メーカーから受注を受けるグローバル企業として学生達も興味津々に話を聞いていました。また、西日本最大級のシェアオフィス【SO@Rビジネスポート】を運用する株式会社ソアラサービスの代表取締役社長である牛来千鶴様から起業についての熱いお話を伺うことができました。

 午後からはマツダミュージアムを訪問させていただきました!過去のヒストリックカー展示をはじめ、ル・マン24時間耐久レースで優勝した787Bの展示や歴代のロータリーエンジン、SKYACTIV TECHNOLOGYの技術展示、実際の組立ラインの見学をさせていただきました。

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マツダミュージアムを訪問する学生達

<5日目_平和活動>

 広島研修では、原爆ドームと平和公園、広島市街地の訪問(平和学習)、宮島・厳島神社訪問(文化体験)など、広島の平和史や世界遺産を体験的に学び、日本、広島と広島大学の平和への取り組みへの理解を深めました。 

 今回の一連の取組については、学生達が随時SNS等で発信して盛り上げてくれるとともに、地域の新聞社等マスコミの方々にも取り上げていただき、広島県でのアントレプレナーシップ活動を盛況に終えることが出来ました。このような交流が可能になったのもさくらサイエンスでのきめ細かいサポートとご支援のおかげです。心より御礼を申し上げます。