2022年度 活動レポート 第19号:大阪工業大学

2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第019号 (オンライン)

アジアの人々における社会、健康に関する課題の解決

大阪工業大学からの報告

■はじめに

 大阪工業大学ロボティクス&デザイン工学部では海外の学生とPBL(Problem Based Learning)を実施する国際PBLプログラムを展開しています。2022年度はさくらサイエンスのオンラインプログラムに採択された「アジアの人々における社会、健康に関する課題の解決」というテーマで6月末から7月に実施しました。

■実施内容

 タイのタマサート大学シリントーン国際工学部、マレーシアのサバ大学の学生とチームを組み、アジアにおける持続可能な開発目標SDGs 3(Good Health and Well−Being) を大きなテーマとして、デザイン思考プロセスを通してユーザの観察と課題の発見、アイデア創出そしてプロトタイプ作成を短期間で回しながらグローバルな視点と工学的な手法で課題解決の体験を得ました。本プログラムの特徴は、工科系大学それぞれが有する専門性とユーザ視点での観察、共感を通して解決するべき課題を発見するデザイン思考の方法を取り、技術主体ではなく真に人々が望む課題を工学的なアイデアを用いて解決する点です。まず海外のメンバーと事前に互いの国における課題の調査を進め、ビデオプレゼン(大阪工業大学メンバー作成)をテーマ原案としてチームを編成し、その後はグローバルなチームによる国を超えたアイデアの創出やプロトタイプ作成を実践しました。アジアの人の持つ課題に対しての視点を参加者は持つことができるとともに、それぞれの専門性、課題を議論するコミュニケーション力や交渉の力が醸成されることを目指しました。

 宗教や文化、生活習慣が異なる3か国の学生が英語で高齢化や健康、福祉の課題をチームで考えることでより広い視点でアジアの問題の把握や解決方法の検討がなされること、またその発案がより多くの人々をターゲットとしたものになりうることは、複数の異なる国の大学が一堂に会して連合することで得られるオンラインならではの効果と考えています。

 参加学生数は、タイのタマサート大学が16名、マレーシアのサバ大学が9名、大阪工業大学が15名でした。海外協力教員は5名、大阪工業大学教員は4名で実施しました。

■実施日程

6月20日~25日 大阪工業大学提案のビデオ公開。海外メンバーの視聴
6月27日 Opening Ceremony、テーマ説明、チーム編成、グループワーク
(以下oVice内の仮想空間内でのグループワーク)
6月28日 グループワーク(調査)、プレゼンテーション
6月29日 グループワーク(調査→課題発見)、オンライン文化交流
6月30日 グループワーク(課題→アイデア創出)、オンライン文化交流
7月1日 グループワーク(アイデア提案)、プレゼン準備、最終プレゼン、Closing Ceremony
7月2日~24日 各国でプロトタイプの改良、その間オンラインにて意見交流、報告会用の資料作成
7月25日 大阪工業大学授業科目「ものづくりデザイン思考実践演習Ⅰ」での報告会プレゼンテーション(※大阪工業大学学生が報告、海外メンバーはオンラインにて参加)

■実施後の展開

 タマサート大学からは新型コロナウイルス感染症が終息すれば、教職員の相互の交流について提案をもらっている。サバ大学とは近年国際学会を共催しています。大学院生の留学、研究目的でのインターンシッププログラムが実現しており、本プログラムにおいて互いの大学について知ることに大きく貢献し、交流が促進されました。また、来年度において相互交流で対応いただいたタイ、マレーシアの先生方には大阪工業大学の客員准教授として引き続き貢献いただく予定です。このように本プログラムはグローバルな交流に大変寄与しています。

活動レポート写真1
活動レポート写真2
活動レポート写真3
oViceを用いたオープニングセレモニー
活動レポート写真4
大阪工業大学参加メンバーのプロトタイプ作成
活動レポート写真5
活動レポート写真6
オンラインでの交流実施の様子