2022年度活動レポート(一般公募プログラム)第009号 (Aコース)
瀬戸内島嶼部エリアにおける環境保全型農業と地域振興
広島大学からの報告
たおやかで平和な共生社会創生プログラムは、2022年8月22日〜28日に「瀬戸内島嶼部エリアにおける環境保全型農業と地域振興」について、テキサス大学オースティン校(米国)、バーラ技術科学大学ピラニ校(インド)、トリブバン大学(ネパール)と4カ国合同研修を行いました。新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、オンラインで開催してきましたが、3年ぶりの対面での合同研修となりました。テキサス大学オースティン校3名、ビルラ技術科学大学ピラニ校4名、トリブバン大学4名と、本学のたおやかプログラムから1名が参加しました。
研修では、東広島市や呉市、環境省の実務者による、農業振興、観光振興、自然資源の保全に関する講義を受け、日本の地域社会における取り組みを詳しく学びました。さらに、現地研修では、環境保全型農業を学ぶため、東広島市志和町にある2つの有機農園(夜明けのジョニー農園・七三農園)を訪問し、農園の方々から、肥料・飼料・原料調達や地産地消と有機野菜の生産について学びました。学生たちは、有機肥料の作り方や、販路の開拓方法など様々な観点の質問をしていました。時には、自国の農業との違いなどの、地域の方々にとっても興味深い質問をして、盛り上がっていました。
研修の後半には、島嶼部の農園を訪問予定でしたが、広島県の新型コロナウィルス感染者数の増大を受けて、オンラインでの農園訪問、現地の方々との交流、意見交換を行いました。菅原オレンジ農園とミニヤギ牧場のオンライン訪問では、島嶼部の自然環境を利用した特色ある農業について学びました。また、下蒲刈島や大崎下島に移住した住民と、瀬戸内地域の魅力や課題について意見交換を行いました。世界の中でも課題先進国の日本における、少子高齢化や過疎化などのコミュニティの持続可能性に関わる課題について、活発に意見交換を行っていました。研修の6日目には文化体験として、広島平和記念資料館や原爆ドームがある広島市内を訪問、広島の平和や復興について学びました。
現地研修が一部オンラインでの訪問に変更になったなか、学生たちは4カ国を横断するグループで、国や専門分野を超えて協力しながら、持続的な地域社会の構築のための方策についてグループワークを行いました。最終日のグループワーク発表では、自然資源や地域特性、科学技術を利用した地域の持続性を高める方策について最終発表を行いました。