2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第096号 (代替オンライン)
無線伝送技術と人工知能に関する日韓オンライン交流
千葉大学大学院工学研究院
教授 安 昌俊さんからの報告
令和4年2月14日から17日の4日間、韓国釜慶大学工学部と工学研究科に在籍している学生10~20名の学生を対象にオンラインでのさくらサイエンスプログラムを行った。当初、本プログラムの実施は日本への招へいを前提に企画され、採択後に韓国釜慶大学情報通信工学科の鄭淵湖教授に依頼し10名の同学科の学生を選考した。選考の際に希望を出した学生は約60名と非常に人気が高く、その中から学校成績や国際交流に興味を持ち今後も様々な活動に参加可能な学生を優先に選考した。
しかし、全世界中に猛威を振るっている新型コロナウイルスの影響により招へいによる本プログラムの実施は難しく、オンラインでの実施に切り換えることとなった。当初参加予定の学生は海外での旅行経験もなくパスポートもない学生が数名いたが、今回の来日のためにパスポート発行の手続きを終えていたこともあり、オンラインでの変更は準備していた学生にとって大きな失望となった。
海外に直接出向いて様々な経験で得られる異文化などの体験が叶わないことへの失望感を低減するため、さくらサイエンスプログラムの担当者の方の助言を得て、直接的な経験は提供できないが動画などを作成しバーチャル体験することにより、少しでも達成感と満足感を感じてもらうことができればと、日本の先進科学科技を紹介する動画と日本が世界に誇りを持って紹介できる観光名所を動画化し、講義中に紹介した。以下にさくらサイエンスプログラム期間中に行われた内容を簡単に説明する。
実施初日、午前は参加した学生へ千葉大学の紹介と、日本の大学の入試と学位課程の運営や教育・研究活動についての簡単な説明を行った。その後質疑応答も行った。午後には無線電力伝送に関する講義を行い、電気自動車への充電や宇宙で発電したエネルギーを地球に伝送する技術として応用されることを説明した。
2日目は、宇都宮大学の小島先生により無線通信科技と人工知能によるチャネル推定などの応用科技についての講演を行った。続いて広島市大の藤坂先生と神尾先生により、人工知能とアナログ回路やデジタル回路などの最新科技についての講義を行った。講義は基本的に英語で行ったが、多くの学生が言語の問題もあり理解し難いとの話もあった。
3日目と4日目には、日本の文化・観光地の動画などを流し、日本を理解してもらう時間とした。最後に進学相談会の時間を設け、1名の学生から将来日本の大学へ進学したいとの申し出があったため様々な説明を行った。今後も質問などがあった場合はメールで連絡する様に指導した。他に本プログラムに参加した学生から、「機会があればぜひ日本を訪問したい」との意見があり、本プログラムの当初の目的を達成することができたと実感した。
最後に、この交流プログラムを実現できるよう支援して頂いたJSTに感謝申し上げたい。
■ 本実施プログラムで使用された動画資料は以下のアドレスでご覧になれる。
https://www.te.chiba-u.jp/lab/wcl/sakura_science.html