2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第063号 (代替オンライン)
パラオの高校生がオンラインで日本の環境技術を学ぶ
国際環境技術移転センターからの報告
公益財団法人 国際環境技術移転センター(以下、ICETT)は、さくらサイエンスプログラムを活用して、パラオ共和国の公立パラオ高校、私立ベラウ・モデクゲイ高校と科学技術体験コースをオンラインで実施しました。パラオの高校との交流は2018年度から実施しており、今年度で4回目となります。(2018, 2019年度は招へい研修、2020年度はコロナ禍のため1日のオンライン交流)
【実施期間】
10月8日~11月6日の期間中、6回に分けて実施
【内容】
(10月8日午前)
三重大学大学院工学研究科 鎌田准教授による、オンライン講義・実験「再生可能エネルギー風力発電」を実施し、学生たちは風の力がエネルギーに変わる原理や、風車が設置されている、パラオにはない山岳環境に興味を持って聴講しました。また実験では、模型風車の羽の、風に対する角度を学生たちで調整することにより発電量が増加したり減少したりすることを体験出来ました。実地での実験ではありませんでしたが、学生たちは自分のパソコンからできる遠隔での操作を興味深げに行っていました。
(10月8日午後)
鳥羽水族館による講義、バーチャル見学会、および三重県立水産高校との交流を行いました。水族館の講義では、水族館が動物を見るためだけの施設ではなく、生物の多様性、種の保存のための研究・活動を行っていること、そして生物が生息するために欠かせない環境保全活動を行っていることについて学びました。バーチャル見学会は、今回の研修のために水族館とICETTが事前に作成した動画を使用して行いました。動画のなかには、一般公開されていないイルカの出産シーンや夜行性の生物たちの行動をとらえた映像も、水族館のご好意で提供され、バーチャル見学会でなくては視聴することができない貴重な映像を学生たちは興味深く見入っていました。
(11月6日午後)
パラオと同じ太平洋島嶼国のパブアニューギニア出身の三重大学留学生から、パブアニューギニアの紹介、日本の大学での研究、日本の文化や旅行の体験などについて聞くことで、学生たちは日本への留学に興味を持ちました。その後、パラオの食べ物、海洋プラスチックごみ問題、エンターテイメント等について、三重県の高校生達と情報交換・交流を行いました。同じ年代の高校生との交流であり、和やかな雰囲気の中で時間を共有できました。
その他、四日市公害、三重県の循環型社会形成(10月18日午後)、日本自動車リサイクル事業協同組合(NGP)による廃自動車の適正な処理方法「リサイクル・バーチャル見学会」(10月20日午後)、徳島県上勝町によるゼロ・ウエイストの講義(10月22日午後)を通して、学生たちは日本の廃棄物処理・科学技術を体験することが出来ました。
画面を介しての研修・交流ではありましたが、パラオにいながら日本における廃棄物処理・科学技術について学んだことは、パラオの高校生にとって大きな刺激であり今後の学習に活かされると考えます。