2021年度 活動レポート 第60号:長崎大学

2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第060号 (代替オンライン)

東シナ海をフィールドとした日中共同研究の加速度的推進を図る
先端的水産科学技術の体験交流

長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科からの報告

 本プログラムの送り出し機関である集美大学は、航海・水産系学部(学院)や大学院を基幹とする総合大学で、福建省の重点大学として中国の海運航海・水産分野の重要な人材育成に取り組んでいる。同じく送り出し機関の廈門大学は国家重点一級学科である海洋学科を中心とする総合大学で、創立当初から大学院教育を開始し、これまで多くの優秀な科学者を世界に輩出している。両大学と長崎大学との間では1980年代から研究者・学生交流が始まり、これまで継続的な交流が行われている。

 そこで、本プログラムでは、東シナ海での日中共同研究の加速度的推進を目指し、集美大学と廈門大学の優秀な青少年に対し、オンラインを活用して長崎大学がリードする先端的水産科学技術を体験させることを目的とし、オンライン交流を実施した。オンライン交流の実施内容(概要)は以下の通りであった。

開会式
長崎大学の紹介・留学案内・主な研究内容の説明
集美大学の紹介・主な研究内容の説明
廈門大学の紹介・主な研究内容の説明
特別講義(長崎大学 橘勝康名誉教授、同大 谷山茂人教授)
今後の共同研究に関するディスカッションおよび意見交換
閉会式

活動レポート写真1
開会式の様子

 具体的には、長崎大学の紹介および留学案内後に、水産学部附属練習船長崎丸の最新船舶装備システムを活用した研究や、魚類養殖、水産物・水産加工品の製造・品質管理に関連する先端的科学技術などについて説明を行った。また、集美大学ならびに廈門大学から、それぞれの大学紹介や主な研究内容の説明がなされた。さらに、両大学の青少年らが高い関心を示している「ナノバブルの水産科学への応用」をテーマに特別講義が行われ、参加者からは有意義な質疑が相次ぎ、活発な議論がなされた。

活動レポート写真2
長崎大学の主な研究内容について学習している様子

 その後、ナノバブルを活用した中国の水産業の生産性の向上に関する研究を主軸とした今後の共同研究に関する具体的なディスカッションが行われた。以上のようなオンライン交流は、将来を担う集美大学や廈門大学の優秀な青少年らと、長崎大学の青少年らが中心となって国際的な共同研究が行える体制構築の足掛かりとなり、長崎大学のグローバル化の進展にも大きく貢献すると期待された。また、本交流について意見交換を行いながら日中交流を深めることができ、将来的な集美大学と廈門大学からの長崎大学への留学生の増加も期待された。

活動レポート写真3
特別講義にてナノバブルの水産科学への応用を学習している様子