2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第046号 (代替オンライン)
大学と附属学校の共創による高校生の国際協働科学探究プログラム
奈良女子大学附属中等教育学校からの報告
2021年8月28日・29日・9月4日・9月5日の4日程において、さくらサイエンスプログラムの支援のもと、本校、サマルカンド国立大学附属高校(ウズベキスタン)、そしてベトナム国家大学ハノイ校自然科学大学附属英才高校から集まった生徒22名と教員5名がオンラインでの交流および協働探究の場を持ちました。プログラムの概要は、本校を中継本部として基調となる問題提起や講義 “Mathematics applied to population on biology” を行い、その後は各校からの参加者を織り交ぜたグループによる協働探究を進め、最終日に研究発表(プレゼンテーション)および講評を受けるというものでした。
新型コロナウイルスの影響下にあっても、本校と本学(奈良女子大学)が高校生の学びや国際交流の機会を何とか保証したいという問題意識を共有し、綿密な打ち合わせを重ね、プログラムの開発を進めました。その結果、問題提起および学習課題の設定を本学の教授が担い、オンライン配信環境の整備や参加者への連絡および本校の生徒に対する事前指導などを本校教員が担うこととなりました。このような両者の共創によって今年度のプログラムは実施されました。
また、海外の連携校からの協力も得ることができました。連携校とは約半年前からオンラインでの打ち合わせをして各校のニーズやオンライン環境、学習内容の希望などを丁寧に聞き取り、プログラムの最適化に努めました。
プログラムは以下の通りです。
日程 | プログラム |
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8月28日 13:00-17:00 | 開会の挨拶、基調講演(本学理学部 高須夫悟教授) |
8月29日 13:00-17:00 | グループ研究 |
9月4日 13:00-17:00 | グループ研究 |
9月5日 13:00-16:00 | 研究発表、講評(本学理学部 高須夫悟教授、渡邊利雄教授) 閉会の挨拶 |
最初は慣れないオンライン環境の影響や語学の壁があり戸惑っていた各校の生徒も、徐々に打ち解け、最終日に近づくにつれて活発な議論が増えていったことが印象的でした。研究に関しても、短い日程ではありましたが各校の生徒が研鑽し合い、よりよいものを作り上げようとする姿に未来の科学者の姿を垣間見たように思います。
講師を務めた本学の教授からは、研究成果に対する評価のみならず、今後の研究で大切にすべきことなどのメッセージも伝えていただき、参加者は本プログラムを通して科学研究に対する熱意を新たにしたのではないかと感じています。
今後の展望としては、今年度同様にアジアの高校生が本校をハブとして科学における国際協働探究の場を継続的・発展的に持ち続けていくことが期待されます。コロナ禍が落ち着き、実際の招へいが可能となった後であっても、今年度培ったオンラインのノウハウを生かし、事前学習や事後交流などに活用できるのではないでしょうか。その意味で、今年度オンライン実施を実現できたことは、未来の取り組みを分厚くするための大切な経験であると感じています。
末筆ながら、本プログラムを実施するために多大なるご支援を賜ったJSTさくらサイエンスプログラムに感謝申し上げます。