2021年度 活動レポート 第44号:横浜国立大学

2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第044号 (代替オンライン)

中国・大連理工大学との交流プログラム

横浜国立大学大学院環境情報研究院 
教授 田村 直良さんからの報告

 コロナ禍による渡航制限により、例年行っている招へいによる交流プログラムは実施不可能であったが、今後の方向性を探る意味を含め、2021年12月10日~11日にオンラインによる交流会を実施した。通常の交流プログラムでは、両大学間で訪問と招へいをそれぞれ独立して行っている。訪問プログラムでは本学学生が大連理工大学を訪問し、現地研究室訪問・研究紹介での研究交流や、施設・史跡の訪問、学生討論などを行っている。また招へいプログラムでは、大連理工大学の学生を招へいし、本学情報工学系の研究室訪問・研究紹介などの研究交流や、神奈川県庁訪問、情報産業の有力企業訪問による最新技術の紹介などを行っている。今回はオンライン交流ということで、特に本学大学院環境情報学府と大連理工大学国際信息与軟件学院の間で、研究紹介、技術講演、討論会を双方向で行った。

【1日目】

 この日は、大連理工大学−横浜国立大学友好交流記念式典が開催され、当交流イベントはその次第第4部として位置づけられた。内容としては、両大学部局代表のあいさつ、動画、およびオンライン・プレゼンテーションによる本学の大学紹介、大連理工大学からのライブ・プレゼンテーションによる研究紹介、本学からのライブ・プレゼンテーションによる研究紹介および、研究室紹介(人工知能系研究室、情報セキュリティ系研究室、化学安全工学系研究室、データベース系研究室)であった。両部局が、情報系の専攻寄りであることから、研究紹介・研究室紹介では、各研究室で行われている情報工学的なアプローチをとる研究内容を紹介するものであった。生活環境も含めて研究室を公開するといった意味での研究室紹介については、実際の訪問を代替するまでには至らなかった。

人工知能系研究室の紹介

【2日目】

 この日は、オンライン討論会として、本学で行われている「我が国の科学技術に関する講義」として一般教養的なオンライン講義の公開、大連理工大学国際信息与軟件学院のテーマ学術講座が行われた。

 討論会は、例年ワールドカフェ方式で行われている。参加者は小グループに分かれ、与えられたテーマに関連した絵や言葉を模造紙に書き加えていくが、今回は各参加者が遠隔で分散して参加するという制約の下、Zoomにおけるブレイクアウトルームによるグループ分割、発表時には全体的な「会議室」でのホワイトボードでの成果の公開などにより、ワールドカフェ方式での基盤的な要素がすべて代替出来た。「我が国の科学技術に関する講義」は、本学の学部授業を紹介したものであるが、配信されている遠隔授業コンテンツを流用している。大連理工大学からの「テーマ学術講座」は、同大学の林教授からの研究紹介であった。

同時書き込み可能なホワイトボードで討論

【まとめと総括】

 以上、例年行われている招へいに代わるものとしてオンライン交流会を実施した。プログラムの構成自体は、例年行われているものに準じており、それらを遠隔システムにより代替したが、十分代替可能な内容と、やはり現地での交流が望ましいものとがあった。その他、オンライン交流では実現できなかったプログラム内容として、情報産業の有力企業訪問と、県内の史跡等の訪問があるが、日程の都合もあり、実施出来なかった。

本学での授業の紹介
交流の様子