2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第042号 (代替オンライン)
令和3年度 高津高校「東アジア−太平洋高校生オンラインフォーラム」
大阪府立高津高等学校(SSH推進委員会国際交流担当)
教諭 藤村 直哉さんからの報告
本事業は、台湾と韓国の高校生を招へいして大阪で実施する予定でしたが、COVID−19による入国制限のため海外からの招へいができなくなったことにより、オンラインで韓国、フィリピン、日本の3か国を結び、新たな内容・形態での高校生の国際交流をめざして1月10日に実施しました。参加校および参加人数は、韓国のイリ高校21名、イリ女子高校55名、完山女子高校23名、フィリピンのアンジェリカム大学附属高校25名、日本からは本校生徒23名と連携校である追手門学院大手前高等学校5名の合計152名でした。
交流内容は主に、SDGsと気候変動という世界的な課題となっている二つのテーマに関するものです。第1部として須藤篤教授(近畿大学・理工学部)による講義 "Energy for SDGs"、第2部として環境調査と科学研究活動に関する発表および4グループに分かれてのSDGsに関する報告、第3部として韓国よりオ・チャンファン教授(国立全北大学・地球環境科学部)による気候変動に関する講義 "The global warming crisis will be resolved when we become happy" を実施しました。
第1部の講義ではSDGsに深く関連するエネルギー問題について、代替エネルギーの特徴を具体的かつ多面的に考察をする必要があるという指摘が講師よりなされ、第3部の講義では今大きな話題になっている急激な気候変動を防ぐための実践の提案がありました。二つの講義は、自分たちが今後何を考え、何を行っていくべきかについて、重要でさまざまなヒントを与えてくれるものであり、聞いてよかったという声が各国の高校生から寄せられました。
また、第2部の実践報告と研究報告では、各国の同世代の高校生がどのようなことを考え、実践しているのかを知ることができてよかったとの声が多かったです。
参加者からのアンケートでは、次のような回答がありました。
(日本)
- 「とても楽しかった。どの国の高校生も非常に高いレベルでの研究を行っており、今後の活動の参考にしたい。」
- 「さまざまな考え方があって面白かった。違う国にいても話し合いができるというのは貴重な体験であった。」
(韓国)
「異なる国の高校生と話ができる機会ができてよかった。住んでいる地域が異なっても自分と大きく変わらない同じ世界に生きている存在であることが実感でき、意義深いと感じた。」
(フィリピン)
「自分たちの研究が、このフォーラムの一部分として位置づけられていることが理解でき、とてもうれしく感じた。講義も有益な知識と、私にとって変革に向けた一歩を進めるための勇気を与えてくれるものであった。」
当初は、3か国、6校で100台を超える多数の端末を結んでオンライン交流を開催することに不安もありましたが、このような状況でも同じ講義を共に受講して問題意識を共有したり、生徒同士が希望や喜びに満ちた交流をオンラインで十分行うことできるということが改めて確認できました。今後も可能な限りこのような交流の場を設定し、生徒たちが国際交流や科学研究などに一層興味を持つことができるよう取組みを続けていきたいと考えています。