2021年度 活動レポート 第41号:早稲田大学

2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第041号 (オンライン)

中国とカザフスタン共和国とのオンライン交流

早稲田大学人間総合研究センターからの報告

 さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、本学術院で実施した複数のオンライン交流のうち、次の2件についてプログラムの成果と合わせて今後の展望についてご報告させていただきます。

【先進ICT技術を用いたグローカルヘルス課題の解決と根拠に基づく政策形成】

 2021年9月25日~10月1日に本学学術院と箇所間協定を締結する中国・杭州師範大学医学部と実施しました。コロナウィルス流行下で海外との交流が難しい状況の中で、双方の大学の学部生・院生、教員・研究者等およそ30人が参加しました。

 初日は、国際保健活動の実際とICT利活用(松葉剛氏、早稲田大学人間総合研究センター招聘研究員)、東洋医学の考え方とその研究成果の社会実装(チェビョンハク、ハンナラオリエンタルクリニック院長)、中医学の考え方と健康管理(周思宇氏、杭州師範大学医学部講師)に関する講義を受講し、続けて、先端研究紹介として、ヒトの歩行のメカニズム(村野良太、早稲田大学助手)など3つの研究発表後、発表者と参加者との間で質疑応答を行いました。その後、両大学の学生混合の3つのグループに分かれて、少人数でのディスカッションを通じて、共同研究調査について意見交換を行いました。

 2日目以降は、課題論文のまとめと共同研究調査を行いました、6日目には中間報告として、進捗状況報告と教員や参加者からの助言を受けました。

 8日目は、各グループから調査研究成果の発表を行い、質疑応答を行いました。具体的な課題とそれを解決するための先進事例を取り上げながら、それぞれの国や地域に実装する際の課題についても検討するなど、社会実装や政策形成に関するロードマップを意識した発表が行われました。

中国とのプログラムにおけるグループ発表

【地方創生を支えるICT と人間科学】

 2021年10月11日~18日に、カザフスタン共和国のアブライハン名称カザフ国際関係外国語大学と本学の学生・大学院生がおよそ30人参加して実施しました。こちらのプログラムは、本学学術院と包括協定を締結する埼玉県・皆野町役場や埼玉県立皆野高校と協力して実施しました。初日は、日本文化と地方創生(アンダソヴァ マラル氏、アブライハン名称カザフ国際関係外国語大学講師)による講義と、ICTを活用した地方創生として、元大使館職員や皆野町地域おこし協力隊等から観光政策、教育政策、産業政策に関する話題提供をいただきました。

 2日目以降は、両大学の学生が3つのグループに分かれて、課題資料・論文等をもとにした抽出課題の共有・議論を行い、常に進捗状況を確認・助言しました。5日目に中間報告を行い、両国の教員・研究者からフィードバックを受けました。最終日には、各グループで研究成果のまとめと改善提案を発表し、相互評価に加えて皆野町職員から講評を受けました。

 2つのプログラム期間中、すべて英語を用いた交流が行われ、また、SNSを活用して活発な議論が展開されるなど、対面での交流が難しい状況下でも、このような交流によって、国際感覚や語学力の向上に加えて、訪日、訪中、訪カザフ意識も高まったようでした。今後は、授業科目や留学プログラムとの連携や研究プロジェクトの立ち上げなど発展的な展開を期待しています。

カザフスタンの参加者と集合写真