2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第034号 (代替オンライン)
オンライン交流「製造工程自動化技術研修」
東京都立大学システムデザイン学部からの報告
当該プログラムは2020年度に採択された。参加機関は中国の山東大学であり、経営工学分野の学生7名を日本に招へいして自動化技術に関する研修を1週間に渡り行う計画であった。しかし、新型コロナウィルス感染症患者の両国における発生状況等を鑑み、当該プログラムの実施計画が2021年度に延期された。代替措置として2021年3月9日から12日まで自動化技術研修がオンラインにより実施された。
2021年度は、年度当初から当該プログラムの実施時期を模索した。しかし、中国国内における新型コロナ感染症患者数の状況、中国政府から参加機関への感染症対策指示内容などの諸条件が改善されない状況が継続し、招へい予定の7名を研修のために日本に送り出すことの許可を本年度中に得ることが困難となった。そのため、これまで延期をしていた研修生の招へいを辞退することになった。オンラインにより研修可能な内容は既に今年3月に実施済みであることから、代替案として、自動化技術の最新動向について再度オンライン交流により説明することが計画された。
実施機関と参加機関とで開催日時を調整し、当該オンライン交流が12月28日に実施された。参加者は28名であった。はじめに、本件の協力企業(株式会社関通)の実務者から、同社の物流業務管理システムおよび最新の自動化技術について説明および質疑応答が行われた。次に、実施機関側の学生が授業の中で製作した自動化装置2件の説明が行われた。
1件目の自動化装置は本件協力企業と実施機関との共同プロジェクトとして実施された成果であり、物流センターにおいて出荷前に商品名の自動検品を行うための画像処理装置であった。2件目は自動化技術教育における実験実習での使用を目的として製作された無人搬送車であった。両装置ともに本年3月のオンライン研修において説明された基本技術を用いて製作されており、参加機関側学生が研修で学んだ自動化技術が具現化された姿を実感できることを意図して選定された。
今回のオンライン交流では、専門用語を含めた正確な逐次通訳が行われるように、中国語を母国語とする北見工業大学工学部ウ アテイ助教から逐次通訳の協力を受けた。参加機関側学生からはこれまでのオンライン交流で学んだ自動化技術に加え、発表を行った実施機関側学生の自動化技術関連授業への取り組み姿勢についても強く感銘を受けたとの意見が複数得られた。参加機関の学生を日本に招へいするという計画は叶わなかったが、オンライン交流の実施により、科学技術イノベーションに貢献しうる海外からの優秀な人材との継続的な研究等の交流の促進に少なからず寄与できたと考えている。