2021年度 活動レポート 第22号:香川大学

2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第022号 (代替オンライン)

日タイの学生がオンラインで都市交通を学ぶ

香川大学創造工学部 建築・都市環境コースからの報告

 2021年11月10日と12月15日、「持続可能な都市交通」をテーマにおき、日タイの学生たちが住む町の将来の交通政策について議論する研究交流プログラムを開催しました。香川大、中部大、タイのカセサート大学、アジア工科大学院(AIT)、チェンマイ大学で都市交通分野について学ぶ修士以上の学生、約30名がオンラインプログラムに参加しました。

 初日のセッションでは、まず,林良嗣(中部大学)教授が、基調講演「Limits to Urbanization and Motorization - Mobility as SABAI Happiness for Bangkok -」を発表し、特にQuality of Life (QOL)の考え方を紹介しました。

 その後、各大学の所在都市の交通政策について、カセサート大Varameth Vichiensan准教授、チェンマイ大学Nopadon Kronprasert准教授、東京大学・宮崎浩之特任助教、香川大・紀伊が紹介しました。これらを参考に、参加した学生たちは、2050年までの交通政策の方向性を議論し、関連する政策などをオンラインホワイトボートに書き込みブレインストーミングしながらプレゼンテーションを作成しました。

 12月の最終セッションでは、バンコク市、チェンマイ市、高松市、名古屋市の交通政策について発表し合いました。例として、チェンマイ大は、2050年までに完全に電気自動車化する政策目標設定や自動運転の普及などを提案し、カセサート大は、高齢化社会について着目し、バンコクの交通政策の在り方を提案しました。一方、日本側は香川大が高松市の交通網問題点を現状分析し、将来の交通ネットワークを具体的に提案しました。また、中部大へタイから留学しているTitipakorn氏は、バンコクと名古屋市を比較しつつ、AIを活用した2050年のバンコクの交通政策について、特にQOL向上を目指した提案を投げかけました。各プレゼンは非常にクオリティが高く、各大学の担当教官から賞賛の辞を得るとともに、本プログラムをファシリテートした紀伊からは日・タイで研究交流を継続することを期待するコメントを投げかけました。

 なお,本プログラムではJICA-JST SATREPS「Thailand4.0を実現するスマート交通戦略プロジェクト(ST4T4)」における,若手研究者の育成プログラムと位置づけており,当該プロジェクトの参加機関が中心となってプログラムを設計しました。本交流により,日タイの学生,若手研究者間の交流が促進されるとともに,ST4T4での若手研究者がさらに活躍することを期待しています。

チェンマイ大学の発表
カセサート大学Varameth先生