2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第018号 (代替オンライン)
四川大学災後重建・管理学院(IDMR)との交流会を実施
東北大学災害科学国際研究所からの報告
2021年12月18日、東北大学災害科学国際研究所(IRIDeS)と四川大学災後重建・管理学院(IDMR)は、科学技術振興機構の国際青少年サイエンス交流事業の支援により交流会を実施しました。四川大学災後重建・管理学院は2008年四川大地震、東北大学災害科学国際研究所は、2011年の東日本大震災を受けて震災復興に貢献することを目的の1つとして設立された研究機関であり、活動目標等に共通するところが少なくありません。実際、これまでも両研究機関の研究者同士が交流してきました。残念ながら今回の交流会は、新型コロナウィルス感染症拡大のため、四川大学側参加者の来日が叶わず、オンラインでの実施となりました。
交流会では、冒頭、四川大学災後重建・管理学院のGretchen Kalonji所長と実施担当者である東北大学災害科学国際研究所所長補佐の五十子幸樹教授からの挨拶があり、続いて東北大学が位置する仙台市、東北大学青葉山キャンパスの紹介がありました。
続いて、2021年9月末に開催された第17回世界地震工学会議の関連イベントである市民公開講座向けに米国ノートルダム大学Tracy Kijewski-Correa准教授がお寄せ下さったビデオ講義を皆で視聴しました。"Enhancing Cooperation Between Research and Practice: Opportunities for More Sustainable and Effective Disaster Recovery"と題したこの講義では、ハイチ、ネパール、メキシコにおける震災復興において防災・減災に携わる研究者が出来ることについてケーススタディに基づく考察が紹介され、防災・減災と災害復興を学ぶ参加学生は多くを学んだようです。
災害科学国際研究所で日本学術振興会外国人特別研究員として研究活動を行なっている郭雪媛博士からは、日本学術振興会の研究支援や日本で研究活動を行うことの魅力について紹介がありました。また、東北大学工学研究科博士後期課程で学ぶ王勃雄氏からは、博士課程での研究活動とそれを支援する奨学金について説明がありました。中国国家留学基金管理委員会(CSC)の奨学金や、日本政府(文部科学省)奨学生制度、日本学術振興会の特別研究員制度に加えて、東北大学国際共同大学院プログラムなど博士を目指す学生には多様な支援制度があることが紹介されました。
参加学生から、日本での研究や学習で最も意義深いことは何かという質問があり、郭博士から「常に物事の本質に立ち返って、自分で根本から緻密に考える態度が身についたことである」との回答がありました。
閉会の前に、オンラインで集合写真を撮り、四川大学IDMRのBaofeng Di教授から閉会挨拶を頂きました。来年度以降新型コロナウィルス感染拡大が収束した暁には対面での交流会を行うこと、今後更に東北大学災害科学国際研究所と四川大学災後重建・管理学院の連携を強化することを約束して閉会となりました。
末筆となりましたが、本交流会の機会を与えて下さった国立研究開発法人 科学技術振興機構に深く感謝申し上げます。