2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第017号 (代替オンライン)
中国・上海大学とのオンライン交流
名城大学理工学部応用化学科からの報告
さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、2021年12月11日午後に、名城大学と上海大学の両大学間の交流プログラムを開催した。本プログラムは、元々2020年の2月に、上海大学の教員・学生を名城大学天白キャンパスに招へいして実施する予定であったが、新型コロナの感染が拡大したため延期となり、2020年度中に開催することができなかった。2021年現在も、依然としてコロナ禍による海外からの外国人の新規入国制限が続いている状況であったため、オンラインで両大学間の交流セミナーを開催することとなった。中国とのオンライン交流は初めてということもあり、事前に両大学の実施責任者の丸山隆浩・名城大学教授とZhen-Yan Deng上海大学教授との間で打ち合わせを行った。中国国内では中国製のWeb会議システム以外は接続が不安定となりやすいため、打ち合わせにはテンセント社が提供しているVooV meetingを用いた。名城大学側参加者のパソコンに同ソフトをインストールし、事前にWeb会議開催のための接続確認を行った。また、本交流で行う発表内容に関して、前もって学内の安全保障管理の審査を受けて承認を受けた上で実施した。
当日は、日本時間14時にセミナーを開始した。セミナーは前半に両大学の概要紹介を、後半ではサイエンティフィック・セッションと題して両大学の研究内容の紹介を行った。前半では、両大学の実施担当責任者である、名城大学の丸山隆浩教授と上海大学のZhen-Yan Deng教授が、お互いの大学の概要について紹介を行った。名城大学は、中部地方有数の規模を誇る私立大学であること、ノーベル賞受賞者を2名輩出していることなどが、丸山教授から紹介された。また、上海大学についても、非常に多数の教授陣をかかえ、世界の大学ランキングでも上位にある高い水準の大学であることがDeng教授より紹介された。
後半では、両大学から3名ずつ、交互に発表を行った。上海大学側からは、主に物理学科の教員による研究紹介が行われ、Zhen-Yam Deng教授が、“Al surface modification and its application in hydrogen generation and pollutant removal”、Lei-Mei Sheng准教授が“Fabrication、 characterization and applications of SWCNTs by arc discharge”、Yi Liu教授が“Dance with hydrogen: hydrocarbon precursors for the growth of nanocarbons”、と題してAlの表面処理技術や、カーボンナノチューブの作製法と応用、金属表面での炭化水素の分解の理論的研究についての発表を行った。
名城大学側からは、ナノマテリアル研究センターと理工学研究科応用化学専攻の大学院生による発表が行われ、Kamal Prasad Sharmaナノマテリアル研究センター研究員が“Graphene Formation by Transmissible Plasma-Evolved Technique”、理工学研究科応用化学専攻の修士2年生の近藤秀氏が“Synthesis of Small-Diameter SWCNTs by CVD with Ir Catalyst”、同修士1年生の柄澤周作氏が“In situ catalyst characterization during SWCNT growth by X-ray absorption spectroscopy”と題してグラフェンやカーボンナノチューブなどナノ材料に関する研究発表を行った。オンラインではあったが、両大学から教員・学生を含め、33名の参加者があり、活発な質疑が行われた。セミナーの最後の挨拶では、丸山教授とDeng教授の間で今後も両大学間で交流を続けていくことが確認された。