2021年度活動レポート(一般公募プログラム)第012号 (代替オンライン)
分子科学研究に基づいた台湾化学系学部生応援プログラム
大阪府立大学理学系研究科からの報告
本プログラムにおいては、本学大学院理学系研究科分子科学専攻の複数のグループが機能性新物質創成に向けて展開している研究を基盤とし、国立台湾師範大学において選抜された優秀な学部4年次生と、化学を学ぶ意欲にあふれ、早期に研究室に在籍して研究活動を開始している学部3年次生を本学に招へいし、当初以下の(1)~(4)を実施する計画でした。
(1)本学理学系研究科分子科学専攻教授による特別講義(月~水・午前)
(2)(1)の担当教授の研究室における、(1)の内容と連動した体験実験(月~水・午後)
(3)ホスト、ゲスト両大学の学生約20名が自身の研究の概要紹介と質疑応答とを行う
合同ミーティング(ホスト側では(2)の体験実験の補助を務めた学生が参画:木・終日)
(4)大阪市立科学館の見学(金)
これらのうちで(1)と(2)とは密接不可分の内容であり、両者を同一の日の午前と午後に実施することで、参加者の興味を高めることを意図しました。2017~2019年度にかけた3回のプログラムの実施状況をふまえ、午前中の講義内容と午後の体験実験メニューとを練り上げてきましたが、今回はオンライン形式となったことから、上記のうちで(1)と(3)のみの内容とならざるを得なかったのは残念でした。参加者がオンライン形式での講義に熱心に参加してくれたことは言うまでもありませんが、対面形式で受講生の反応を直接確認しながら実施する講義と、その内容と連動した体験実験とを組み合わせたメニューを当初の計画通りに行うことができれば、より中身の濃いプログラムとなったものと思われます。今回、オンラインで実施した具体的内容を以下の表に示します。
一方で、両大学の学生による合同ミーティングで自身の研究の概要を英語で発表し、その内容に関して英語での質疑応答を行うことは、双方の大学の学生にとって大いに刺激となったことを実感しています。ミーティング開始当初は、他者の発表に対して質問を寄せることに消極的な学生が多かったことは事実です。しかしながら、教員からの後押しを続けた結果、他者の発表内容に対して積極的に質問を寄せる学生が、双方の大学に複数名見られるようになりました。今後、これらの学生が、これまでホスト側とゲスト側の大学院レベルで実施してきた合同シンポジウムや短期研究留学(派遣・受け入れ)に参画することにより、交流のさらなる深化につながるよう、努力を続けてまいりたいと考えております。
さくらサイエンスプログラム事業を通して、先方の大学生のみならず、受け入れ側大学の学生も大いに刺激を受け、視野を広げる機会となっています。COVID‑19の世界的な感染拡大の影響で海外からの学生の受け入れが厳しい状況が続いていますが、通常通り対面でプログラムを実施できる日が1日も早く戻ってくることを心から願ってやみません。