2019年度活動レポート(一般公募コース)第315号
微弱な筋活動と顎口腔系の機能に関する技術研修プログラム
岡山大学からの報告
令和2年1月13日~22日までの10日間にハサヌディン大学(インドネシア)の教員3名を大学院医歯薬学総合研究科に受入、交流プログラムを実施しました。本プログラムは、日中の顎の動きを把握するため、筋肉の活動の際に発生する微弱な活動電位の表面電極を用いた記録と、そのデータの解析方法を学ぶというものです。
プログラムは、歯学部長のオリエンテーションから開始しました。岡山大学歯学部では、海外との交換プログラムも同時期に開催されており、来学していたブラジル、ベトナム、インドネシアからの歯学部の学生とともにオリエンテーションを受け、その後、歯学部の案内ツアーも行われました。
筋肉の活動電位の記録のために、データの収集を行いました。筋肉が収縮する時に発生する微弱な活動電位の記録方法とその装置について説明の後、実際に装置を装着し、電気信号を記録しました。今回は、咬筋を対象として行われました。
データ収集後は、データの解析方法も学びました。データを取り込み、専用のソフトウエアで解析しました。モニター上に映し出される筋肉の電位波形を見ながら、解析方法を学びました。受入機関でこの装置を用いて大学院を卒業した引率の教員からも説明をして頂き、大変助かりました。やはり母国語に勝るものはないようです。特に専門用語の多い分野では尚更でした。
今回の研修に用いた携帯型の筋電計を汎用製品を用いて作製するために、装置の作製も試みました。
また、期間中毎日開催された基礎から臨床に至る先端研究に関する講義シリーズの受講の他、診療室見学,学部学生の基礎実習見学など非常に多彩な研修となりました。
週末には、日本文化に触れる機会を設けるために、ブラジル、ベトナム、同じハサヌディン大学歯学部の学生、岡山大学大学院博士課程に在籍の留学生とともに、歯学部学生と教員の引率の下、重要文化財の吉備津神社、古い街並みの倉敷美観地区や瀬戸大橋を見学しました。
プログラムの最後には、今回の研修の成果とハサヌディン大学で行われている臨床と研究に関するプレゼンテーションを行い、様々な情報交換がなされました。滞在期間中には他国の留学生や学部学生との交流機会を通して、岡山での生活環境や研究環境など多くの経験を積むことができたようです。