2019年度活動レポート(一般公募コース)第249号
マレーシアの大学院生と教員との医用画像解析に関する共同研究
東京農工大学大学院工学研究院
清水 昭伸 研究室からの報告
クアラルンプール大学英国マレーシア校の大学院生AIDA SYAFIQAH BINTI AHMAD KHAIZIさん、ならびに教員のGAN HONG SENGさんの2名を2019年11月18日から12月8日の21日間招へいしました。
研究テーマは、昨年に続いて、「膝変形性関節症進行パターンの計算機支援診断」です。変形性関節症は、膝関節に関する重要な疾患であり、我が国でも患者数の増加が見込まれています。昨年度は、MR像上の膝軟骨の画像認識を深層学習によって精度を改善し、人による修正を最小とするアルゴリズムを提案しました。本年度は、昨年度開発したアルゴリズムに基づいて軟骨の厚さを3次元的に測定し、表示するプログラムを開発しました。これにより、膝関節の変形の定量化が達成でき、医師の診断の支援をする計算機支援診断システムの完成に近づく重要な成果が得られました。
滞在中には。国内の有力な医用画像解析の研究機関として、愛知県立大学の情報科学部情報科学科の神谷直希研究室を訪問して交流をしていただき、幅広い知識を身につけることができました。
以下では、東京農工大学における活動について紹介します。
来日後、まず、母国でこれまで行われた研究について発表をしていただきました。それを踏まえて、共同研究の内容についてディスカッションを行い、滞在中の計画を具体化し、以下の2つのステップに分けました。
- 軟骨の厚さ測定
- 測定した厚さの表示(ヒートマップ)
本学の研究室の学生にとっては、研究内容を英語で理解してディスカッションする非常に良い機会になりました。
帰国前には、研究室全員の前で、滞在中に得られた研究成果について30分程度のプレゼンと質疑応答をしていただきました。また、修了証書の授与式も行いました。
その他、来日直後と帰国前に行った歓迎会と送別会では、ハラールに配慮して調理した料理を研究室のメンバーと一緒に楽しんでいただきました。全体的には、招へい対象者の研究は計画通りに進み、体調不良もなく充実した時間を過ごせました。
最後に、ご支援をいただきました「さくらサイエンスプログラム」、本プランの実施にご協力いただきました本学の事務職員の皆様と本研究室の皆様に深く感謝いたします。