2019年度 活動レポート 第233号:大阪大学

2019年度活動レポート(一般公募コース)第233号

中国薬科大学の学生との薬物分子設計及び開発に関する学術交流

大阪大学 大学院薬学研究科
高木 達也さんからの報告

さくらサイエンスプログラムにより、2019年11月23日~11月29日の7日間、中国薬科大学の学生6名(修士学生3名、博士学生3名)が来日し、薬物分子設計及び開発に関する学術交流を行いました。

 

今回の活動は、中国薬科大学と大阪大学 大学院薬学研究科情報・計量薬学分野の交流であり、薬物構造設計等の分野において広範な意見交流及び今後の密接な協力のための強固な基盤を築くことを目的としています。

(1)本研究室と中国薬科大学の招へい者らとの技術交流、研究についての意見交換を行い、両者の研究方法の同じ点と異なる点を互いに補い合い、成功及び失敗の経験などを共有することで、新薬開発への道程をさらに煮詰めること。
(2)中国の大学院生にとって、日本の薬学の最前線への関心を高め、国際的な学術的視野を広げること。
(3)大阪大学の研究室を案内することで、研究室の文化を体験し、日本の高度な薬学教育のモデルと概念を体験すること。
(4)関西での1週間の研究と生活を通して本格的な日本の文化を体験し、日中友好に貢献する。

本研究室の助教は、今回の交流プロジェクトの運営を担当しました。1週間で、招へい者らは学会参加、大学の博物館と大阪市立科学館の見学、薬用標本資料の閲覧、キャンパス見学、学生との交流会、高分子化学・臨床薬学・薬物設計などの講義の受講、患者用VRツールの利用体験、ポスターを用いる検討会など盛り沢山のことを経験し、研究室の学生とも深い交流を行いました。

20th LSACJ 2019 - ISL2019の学会にて
仁木助教による患者用VRツールの説明及び模擬体験の風景

特筆すべきことは、招へい者らは日本人の学生よりも熱心で、積極的に質問、議論する印象がありました。また、交流で、招へい者らの中の一人は当研究室と同じ研究テーマを持っていることが分かりました。今後、招へい者が所属している研究室または大学と国際共同研究を行う可能性を検討する予定です。

ポスターを用いて、研究のディスカッション風景
研究室の学生とのコミュニケーション風景

また、今回の交流は、紅葉が綺麗な秋に行っていたため、招へい者らは、通学の道やキャンパス内の景色にも感銘し、いろいろを楽しむことができました。修了式でプログラムに参加した学生達からは、「素晴らしいプログラム」、「日本に興味を持つようになった」、「学術交流できて、今後の自分自身の研究に生かせる」などの感謝のコメントを頂きました。

最後に、このような機会を与えていただいた「さくらサイエンスプログラム」、その他協力教員、スタッフに感謝の意を表します。