2019年度活動レポート(一般公募コース)第158号
漢方薬などのアジア在来植物に含まれる天然物質の新たな生理活性とその利用
東京農工大学大学院農学研究院国際環農学専攻
教授 藤井 義晴さんからの報告
さくらサイエンスプログラムにより、令和元年10月14日~10月20日の1週間、中国・浙江理工大学生命医科学研究院から学部生2名と大学院生2名、引率教員1名の5名を東京農工大学大学院農学研究院に受け入れ、科学技術交流プログラムを実施しました。
10月14日
夕方、台風19号の影響で大混雑の成田空港に到着した一行を出迎え、リムジンバスで府中市の農工大に向かいました。府中のホテルに着いたのは21時でした。
10月15日
つくば市にある国立科学博物館筑波薬用植物園を訪問しました。前園長で植物の天然有機化合物の専門家である岩科司名誉研究員に園内を案内していただき、中国を含む東南アジアの薬用植物の植生調査を行いました。午後東京農工大に戻り、オリエンテーション、お互いの自己紹介、および翌日からの実験準備を行いました。
10月16日
前日筑波実験植物園で採取した植物を用いたアレロパシー活性の検定試験を開始しました。植物園で採取してきた植物40種を検定に用いました。実験が一段落したので、夕方、教員と日本人の学生たちを交えた交流会と懇親会を開催しました。
10月17日
東京大学理学部付属小石川植物園を訪問し、前園長の邑田仁名誉教授に案内していただき、薬用植物等の有用植物と園内の貴重な植物について教えて頂きました。
10月18日
浙江理工大学の孫延芳先生による研究紹介、中国から農工大に留学している大学院博士課程のカンゴワさんによる研究の紹介、ホスト教員の藤井による研究紹介を行い、学生を交えた交流を行いました。
10月19日
生物検定結果を測定しました。その結果、ハマナス(Rosa rugosa)とオンブ(Phytolacca dioica)の葉が強い活性を示すことが明らかとなりました。
10月20日
早朝に府中を出て羽田空港経由でその日のうちに全員無事帰国しました。
今回の交流で、中国学生達に迅速にビザを発行していただいた日本国上海総領事館の皆さま、さくらサイエンスプログラム交流事業推進室の方々、東京農工大学学務課国際交流室の方々に感謝いたします。これらの方々のご好意に報いるため、この交流を継続・発展させていきたいと考えています。