2019年度活動レポート(一般公募コース)第096号
中国の歯学生を招き日本の異分野融合研究・教育および歯科産業に関する短期研修
東北大学からの報告
東北大学大学院歯学研究科では、2019年10月2日から中国の歯科基幹校である北京大学口腔医学院、四川大学華西口腔医学院、天津医科大学口腔医学院および福建医科大学口腔医学院の歯学生10名を招へいし、日本の異分野融合研究・教育および歯科産業に関する短期研修を行いました。
8日間の研修期間中、東北大学が取り組んでいる歯科材料・機器分野における異分野融合研究・教育に関するセミナーに出席し、東北大学のみならず、海外からの研究者による講演を聴講しました。さらに、研究・教育・実務経験等でトップレベルを維持している災害歯科医療学について、被災地実地研修を通じ学習すると共に、クリニカルスキールトレーニング、歯科材料・器材ハンズオンセミナーなど、学生たちが受けた研修は多岐にわたりました。さらに歯学研究科や病院の見学、再学生との交流会など通じ、日本人在学生たちとも交流を行いました。
初日の異分野融合研究・教育セミナーでは、歯学研究科と学内他部局との研究・教育での連携、海外の連携校との異分野国際共同研究における最新の取り組みについて触れることができました。また、自分らの研究の取り組みについても発表する機会を与えられ、学内外・国外の方々と意見交換することができました。
土曜日は、東日本大震災により被災した宮城県南三陸町を訪問し、南三陸町公立志津川病院歯科部長の斎藤政二先生から、震災後8年経って様変わりした町の様子を紹介してもらい、復興の道のりのみならず、災害初期から復興、復興後における歯科活動、歯科医療のあり方について講義がなされました。
その後、東京に移動し、日本最大の歯科材料・器械メーカーである株式会社ジーシーを訪問しました。研究所では、歯科材料の研究開発に熱心に取り組む企業・社員の姿勢、研究所の環境の素晴しさに学生達は深く感銘を受けていました。本社の訪問では企業の歴史を理解すると共に、最新歯科材料および診断用器械を用いたハンズオンセミナーに参加し、高齢社会における歯科・口腔健康科学の必要性についても学習しました。
最終日には、日本が開発した世界初の歯科教育用患者ロボットシミュレーションシステムを用い、クリニカルスキルトレーニングプログラムを実施しました。その後、8日間の成果について発表を行い、日本人学生や他の留学生との意見交換を行うことができました。
交流期間中には、日本人学生および教員との意見交換を目的として交流会、被災地実地研修での日本人学生との共学など通じ、日本人学生と交流を深めると共に、世界各国から来た在学留学生との交流も行い、アジア地域における歯学国際ネットワークの早期構築に大いに貢献しました。
このような交流のきっかけを作って頂いた「さくらサイエンスプログラム」に深く感謝いたします。