2019年度活動レポート(一般公募コース)第044号
日本の先端科学を支える科学技術基礎実験体験プログラム
千葉大学教育学部からの報告
2019年6月26日~7月2日にかけて、タイ王国(チュラロンコン大学、マヒドン大学、カセサート大学、キングモンクット大学、チェンマイ大学)、インドネシア共和国(バンドン工科大学、ガジャマダ大、インドネシア教育大学、ボゴール農科大学)から合計15名の大学院生と引率者4名が千葉大学教育学部を訪問し、「日本の先端科学を支える科学技術基礎実験体験プログラム」と題した約7日間の科学実験講座を受講しました。
母国では学生段階で経験できない日本の実験教育を体験し、我が国の先端技術の発展基盤である、「手足を動かして実体験から学ぶこと」の重要性を学びました。日本人学生とともにチームビルディングプログラムに参加し、パスタを使って塔を作るという作業(マシュマロチャレンジ)を、討論しながら繰り返すことで仲間意識を高めていました。
一行は、6月26日の午前中に成田空港へ到着し、各自で千葉市内のホテルまで移動・チェックイン、その後ホテルまでスタッフが迎えに行き千葉大学西千葉キャンパスへと移動してオリエンテーション及びウェルカムパーティーに参加しました。翌日より科学実験講座が始まり、朝から晩まで教育学部の理科・技術科等の教授が担当する実験講座にて科学に関する多岐にわたる分野を学び、自国では経験したことのない"実験から学ぶ"という体験をしました。
実験講座では日本人学生がチューターやTAとしてASEANからの留学生をサポートすることによって、真の国際理解と交流を体験しました。さらには、教員養成学部の強みを生かし、千葉県内の高等学校の生徒と交流する機会を設けることにより、ASEANからの学生がより日本での教育について深く知ると同時に、日本人高校生にとっては海外からの優秀な留学生と交流を図り意見交換をすることにより、国際感覚を養うことができました。なお、送り出し機関は、全て千葉大学との交流協定を締結してある大学で、このプログラムを実施することにより、協力関係がさらに深化しました。
本プログラム中に開催された国際研究発表会で各参加者の研究についてポスター発表しました。
また、国立歴史民族博物館訪問では、日本の歴史を学び、日本文化を満喫していました。
7月2日には本学学生も参加してファイナルプレゼンテーション及び修了式が行われました。グループごとに考えたパワーポイントを用いて、自己・自国紹介、プログラムに参加した感想や経験、身につけた能力について各人が発表をしました。その後、辻教授より修了証書が授与されました。
7日間という短い期間ではありましたが、日本だけでなくタイ・インドネシアという異なる国籍の人との交流を楽しんでおり、この3者の間で友情を深めていました。日本の人(大学生・高校生・教授等)、文化、食べ物そして優れた科学技術にも触れられた、彼らにとって非常に有意義で充実した経験となったようでした。
ASEANからの学生を受入れ、彼らが日本の先端技術や文化に触れ、自国での研究や勉学に更なるモチベーションを持ち、更には日本への留学を目指すことは大変喜ばしい成果です。日本人の大学生・高校生にとっても留学生との交流はグローバルな視点を持つ良いきっかけとなると考えております。貴重な機会を与えてくださった「さくらサイエンスプログラム」に深く感謝申し上げるとともに、今後、発展的に継続されることを強く祈念しております。