2019年度活動レポート(一般公募コース)第025号
新規開拓を目指した、食品工学分野と最先端生命科学との融合
京都産業大学生命科学部 生命科学研究科からの報告
はじめに
2018年に引き続き、2019年さくらサイエンスプログラムによるプログラムを実施し、江原国立大学校 動物生命科学大学(韓国)、国立カセサート大学農工学部(タイ)、スブラス・マレット大学農学部(インドネシア)から、大学生と大学院生それぞれ5名ずつの計15名を迎えました。引率教員3名(韓国からSeunghyung Lee、イ スンヒョン 教授、タイからWaraporn Boonsupthip、ブンサップティップ ワラポン准教授、インドネシアからMuhammad Cahyadi、ムハマッド チャフヤディ助教)を含む総勢18名を迎え入れ、7月30日から8月5日までの7日間、研究活動を行いました。
生命科学研究科(生命科学部)は、国内外より、生命科学分野における研究レベルが著しく高いとの評価を受けています。2019年4月より、「先端生命科学科」と「産業生命科学科」からなる生命科学部が始まりました。最先端の生命科学研究を推し進めていくことができる人材の養成に加え、生命科学の研究成果を社会に還元できる人材を、幅広く養成していきます。
本プログラムでは生命科学に関わるA〜Eの5つの実験プログラムを設定し、4か国の5名が1チーム(本学院生2名、招へい3大学より各1名)を構成。計5チームが5つのプログラムに分かれて技術研修を受講しました。3日間に及ぶ実験の後、体験した生命科学に関わる実験を元に、食の科学研究を発案するとともに、アジアの若手研究者が世界に発信するプランについて、議論しました。
本プログラムは、食品に関する教育や応用研究に、国内外から高く評価されている本学の生命科学研究を融合し、食と生命科学を理解する国際的人材を共に育てることを目指しています。
実験プログラム 7月31日(水)〜8月2日(金)
学生たちは、5つの研究プログラムのコースA〜Eに分かれて、最新の技術研究を体験しました。
◆プログラムA. 生細胞内カルシウム動態の観察
◆プログラムB. アフリカツメガエル卵のプログラム細胞死(アポトーシス)とCRISPR/Cas9を用いたゼブラフィッシュ初期胚のゲノム編集
◆プログラムC. 回転分子モーターの1分子観察とギブソン・アセンブリー改変法
◆プログラムD. マウスの胚操作と精神疾患モデルマウス評価行動試験
◆プログラム E. 植物を用いた遺伝子発現解析と系統樹作成
研究発表会とポスター発表、修了式 8月3日(土)
2018〜2019年の2年間に及ぶプログラムにより、4カ国の学生たちは、共に実験し、コミュニケーションを駆使した素晴らしい発表を繰り広げ、かけがえのない経験を得ることができました。今回のプログラムを機に、今後、京都産業大学(生命科学部)と各大学(学部)間において、2国間の国際交流協定(MOU、Memorandum of Understanding)を発展させ、活発な学生交流をおこなっていくことを約束しました。