2018年度活動レポート(一般公募コース)第426号
漢方医学と中医学の情報交換と交流
金沢大学附属病院漢方医学科からの報告
平成30年10月1日から10月10日までの10日間、「さくらサイエンスプログラム」により、中国天津中医薬大学の6名(教員1名、学生5名)が来日し、金沢大学附属病院漢方医学科を訪問しました。
初日
国内移動で時間が過ぎ、金沢着が19時頃となりましたが、当科大学院生との夕食を兼ねたオリエンテーションを開催し、明日からの研修に備えました。
2日目
漢方医学科の外来見学とレクチャーを受けていただき、現代医学と融合した漢方医学を肌で感じていただきました。
3日目
脳科学研究室でのレクチャーと、金沢大学山崎光悦学長への表敬訪問も行い「さくらサイエンスプログラム」を機会に中国天津中医薬大学と金沢大学の更なる交流が深まることが期待されました。
4日目
リハビリテーション科の見学と「日本漢方医学概論」の講義を受けていただきました。
5日目
当科が漢方医学のレクチャーを行うだけではなく、引率者の曽先生に伝統中医学の古典「傷寒論」のご講義をしていただき、お互いに見識を深め合うことができました。
6日目
金沢大学市民公開講座「もっと知りたい漢方医学」に参加させていただき、市民の皆さんが熱心に漢方医学を学ぶ姿に感銘を受けられていました。
8日目
夢恵堂院長の鍼灸師 津田昌樹先生に、日本鍼灸についての実技とご講義を行っていただき、中国鍼灸との違いに驚くとともに繊細な日本鍼灸に大変興味を持っていただきました。
また、夜に開催したフェアウェルパーティーでは、すっかり打ち解けた参加者全員が共に過ごした時間を振り返りながらのとても温かい会となり、お互いの今後の活躍といつの日かの再会を誓い合いました。
9日目
日本最大の薬用植物園である、金沢大学薬用植物園での実地研修を行い、棗(なつめ)の収穫体験や、生薬学に関するレクチャーを受け、薬学部学生の皆さんとの交流を深めました。
10日間(実質8日間)の研修期間中、「さくらサイエンスプログラム」の趣旨にご賛同いただきました先生方のご尽力により実現した、科や研究室を超えた、日本の医学・薬学について多角的に学ぶ研修プログラムを通して見識を深め、現代医療の中で活きる漢方医学を学んでいただき、招へい学生たちからは「ぜひまた日本に来たい。金沢大学に留学したい。」といった声が聞こえてきました。
また、本学の教職員や共に過ごした学生たちからは「招へい学生の皆さんの温かな人柄と熱心に学ぶ姿勢に大変良い刺激を受けた。」との声があがりました。
「さくらサイエンスプログラム」により、とても有意義な国際交流の機会をいただき、また本学の教職員・学生にとっても大変素晴らしい経験をさせていただきましたことを、JSTならびに関係者の皆様に心より感謝申し上げます。