2018年度活動レポート(一般公募コース)第411号
アジア地域地球規模課題を解決する出稽古式「技術に堪能なる士君子」
九州工業大学大学院生命体工学研究科
前田 憲成さんからの報告
2018年12月9日~18日の10日間、マレーシアのプトラ大学から教員5名(そのうち1名の教員は引率者)および学生2名、中国科学院都市環境研究所から教員1名(引率者)、研究者2名、学生2名、合計5名を招へいし、本プログラムを実施しました。
本プログラムは、過去に高度経済成長ならびに重度な環境汚染克服を成し遂げた北九州地区でのものづくりと環境技術を研修することを企図したものです。特に日本の持つ優れた最先端技術を伝授し、学術研究の交流を推進していく機会を作ること、そして今後の共同研究や技術支援などのネットワーク形成を目的に活動を行いました。この交流を通して、最先端機器の活用とそのノウハウをまだ知らない、アジアの発展途上国および新興国における科学技術の発展を加速化させ、最終的には世界規模の環境問題等の課題解決を推進することを最終ゴールとしています。
12月9日
午前に、マレーシアからの招へい者はシンガポール経由で福岡に入国、中国からの招へい者はインチョン経由で、夜に福岡入りをしました。両国の招へい者は、入国後、北九州の滞在先まで引率しました。
12月10日
午前は、北九州市の歴史を学ぶ施設での活動、午後からは研究科にて、オリエンテーションを行い、自己紹介ならびにプログラムの趣旨説明を行いました。
12月11日
九州工業大学工学部応用化学科にて、柘植顕彦教授による講義および研究活動の紹介のあと、研究室見学等による先端ものづくりに関する研修を行いました。
12月12日
午前、午後と、北九州エコタウンセンターの見学を行い、最新のリサイクル技術などを修学しました。
12月13日
午前中は、北九州市日明下水処理場を訪問し、排水処理の先端技術について研修、午後は株式会社TOTOミュージアムにて、トイレの歴史と北九州地区にTOTOの会社が創立された経緯などを学習しました。
12月14日
プログラム責任者である前田憲成准教授の研究室にて、それぞれの研究プロジェクトを担当している学生が、招へい者に説明を行い、研究活動の一部を紹介しました。また、前田研究室に設置されている次世代シーケンサーMiSeqの取扱いとサンプル調製等の前処理、運転までの操作の概略を説明しました。
12月15日・16日
九州工業大学内で開催されたSAES2018国際シンポジウムに参加し、招へい者の一部、ならびに九州工業大学内の関係者は、それぞれの研究成果を発表し、交流を深めました。
12月17日
最終コラボ討論会を行い、今後の連携の探索やそれに向けた取組みなどについて深くディスカッションしました。午後からは、大学院生命体工学研究科内の5つの研究室(安藤研、飯久保研、加藤研、宮崎研、池野研)の見学を行いました。その後、情報交換と交流活動を目的に、送別会を実施し、研究科長からの修了書贈呈などの活動を行いました。
12月18日
招へい者を福岡空港まで引率し、その後無事に帰国しました。
本プログラムが進むにつれて、招へい者同士、招へい者と日本人学生同士が真に仲良くなって信頼関係が強くなっていることが日々感じ取れました。この連携と一体感は、今回の交流プログラムを通じて得られた掛け替えのないものです。また、いくつかの国際共同研究を着手する機会にもなり、今後の展開が大いに期待できます。
最後に、本プログラム実施の機会を与えた頂いた「さくらサイエンスプログラム」、快く対応していただいた見学先の方々、そして本プログラムの実施を支えて頂いた本学のスタッフの皆さんに深く感謝申し上げます。