2018年度 活動レポート 第386号:九州工業大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第386号

インドとシンガポールの大学院生が超高密度磁気記録に向けた磁性体の材料開発を学ぶ

九州工業大学大学院情報工学研究院電子情報工学研究系
福間 康裕さんからの報告

九州工業大学は、平成31年1月21日から1月30日までの10日間にわたり、さくらサイエンス科学技術研修コースにより、University of Delhi((大学院生2名)、Inter-University Accelerator Center(大学院生1名)、Nanyang Technological University(大学院生1名)の合計4名を招へいしました。

研究室にて

本学はインドのUniversity of Delhiとの大学間協定、本学情報工学部はシンガポールのNanyang Technological University-National Institute of Education と部局間協定を締結し、学術研究および教育交流を実施しています。また、インドのInter-University Accelerator Centerは大型加速器を利用した国際共同研究機関であり、実施責任者の研究グループとの共同研究を実施しています。このために、研究環境・手法のみならず互いの文化を理解することを目的にさくらサイエンスプログラムを行いました。

参加者の研究内容紹介

本さくらサイエンスプログラムの特徴は、最先端のデバイス研究環境を活用して薄膜作製からデバイス特性評価までの一貫した実習を行っている点です。アジア諸国において、経済発展と共に科学技術は進展しているものの最先端のデバイス作製技術および評価技術を有する研究機関は極めて限られています。日本の恵まれた研究環境とものづくりを体験することで、海外から優秀な若手人材の流入が期待されます。

生命工学研究科にてパンディ准教授との議論

具体的な研修内容は、(1)参加者の研究内容紹介、(2)クリーンルーム内での微細加工実習、(3)加工した試料の電気・磁気的特性計測実習、(4)最終報告会を中心として、受け入れ側日本人学生と海外招へい者が主体的な活動を通して互いの意思疎通を積極的に図るようにしています。

1月21日午前:シンガポールからの招聘者が福岡空港に到着、飯塚キャンパスに移動
午後:インドからの招聘者が福岡空港に到着、飯塚キャンパスに移動
1月22日午前:オリエンテーション
午後:参加者から自己および研究内容の紹介
1月23日午前:磁性体薄膜作製の実習
午後:磁性体薄膜作製の実習
1月24日午前:クリーンルーム内にて微細加工の実習
午後:クリーンルーム内にて微細加工の実習
1月25日午前:九州工業大学生命体工学研究科にて研究紹介・議論
午後:九州工業大学生命体工学研究科にて今後の共同研究について打ち合わせ
1月26日自由行動
1月27日自由行動
1月28日午前:作製した試料の電気・磁気的特性評価
午後:作製した試料の電気・磁気的特性評価
1月29日午前:最終報告会の準備
午後:さくらサイエンスに関する最終報告会
1月30日午前:飯塚から福岡空港に移動
午後:福岡空港から帰国
クリーンルーム内での微細加工実習

学生同士は日常、教育研究、文化・慣習、観光など多岐にわたり幅広い交流を行いました。短い期間ではありましたが、海外招へい者は先端実験機器を実際に取り扱い、試料作製から特性評価までの技術研究を行いました。今後の共同研究への積極的な議論も行うことができ、本さくらサイエンスプログラムは受け入れ・送り出し研究機関の双方に有益な活動を実施することができました。