2018年度活動レポート(一般公募コース)第368号
日本の最先端科学及び産業技術体験プログラム
筑波大学からの報告
筑波大学グローバル・コモンズ機構では、さくらサイエンスプログラムの採択により、2018年12月4日から11日にかけて、ロスアンデス大学(コロンビア共和国)の学生10名と教員1名の計11名を招へいし、「日本の最先端科学及び産業技術体験プログラム」をテーマに、筑波大学の教育研究施設や筑波研究学園都市の研究機関、更には民間企業での産業技術の視察及び現場体験等を取り入れ、多岐にわたる日本の最先端科学技術について理解と関心を深める研修プログラムを実施しました。
初日の12月4日にオープニングセレモニーを開催し、来賓として出席いただいたAlejandro Posada駐日コロンビア臨時代理大使から、本プログラム実施に関する科学技術振興機構と本学への謝辞と今後二国間における教育研究分野の連携強化を期待するとのお言葉をいただきました。
学内での視察・研修は、サイバニクス研究センターにおいて、ロボット工学、情報技術(IT)、人工知能などの異分野を融合複合した新領域技術の視察及びセミナーを受講し、研究基盤総合センターでは、静電加速器及び放射性同位元素を利用する物理計測、高エネルギーに加速されたイオンを粒子検出器で計数する加速器質量分析システム等について学び、低温寒剤の生産及び供給並びに低温関係機器の開発現場を視察しました。
更にエンパワーメントスタジオでは、世界最大のVRシステムを実体験し情報学分野で新たに体系化された「エンパワーメント情報学」について説明を受けました。それぞれ研修を行った施設において、実際に機器を操作したり、実験等を目の前で見れたことで、学生から積極的かつ具体的な質問が多く出ました。
学外での視察・研修では、本学の世界展開力強化事業(中南米等)において連携協力体制にある株式会社前川製作所(守谷工場)で、産業用冷凍機、冷凍・冷却システムにおける技術開発に関して工場見学会を実施していただき、また、最先端ロボットHAL®︎の開発を行っているCYBERDYNE株式会社が運営するサイバーダインスタジオでは、実際に先端福祉機械を装着体験させていただきました。
更に、宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターで宇宙開発技術の視察を行い、世界最大級の洪水対策施設である首都圏外郭放水路(埼玉県春日部市)では、最新テクノロジーを駆使したさまざまな施工技術や管理システム、巨大放水路を支える主要施設、排水システム等について学んでいただくことができました。
最終日の12月11日に、本プログラムに参加した学生による成果発表会を実施しました。学生のプレゼンテーションでは、日本の高い科学技術力やクリーンな現場環境現場を見ることができ、それぞれの施設での技術力に驚嘆したとの声を聞くことができました。また、日本人特有の優しさやおもてなしに触れることができ嬉しかったとの声も多くありました。
今回の施設視察や現場体験等を通して、日本の科学技術水準の高さを実感していただいたことで、参加した学生の中には、本学への短期留学や大学院進学に興味を持った者もおり、今後、本学とロスアンデス大学との学生交流の促進、更には日本と中南米地域の架け橋となる人材の創出につながる国際ネットワークの強化に貢献し得る状況を確立できたことは、「さくらサイエンスプログラム」に多大のご支援を賜りましたことによるものであり、厚く御礼申し上げます。