2018年度活動レポート(一般公募コース)第094号
新たな分野に挑戦するアジアの若手研究者育成を目指して
国立情報学研究所からの報告
情報・システム研究機構国立情報学研究所(以下NII)では、さくらサイエンスプログラムにより、2018年7月8日~7月28日の3週間(NIIでの受入は7/9~7/27)に渡り、研究協力機関である中国の上海交通大学、中国科学技術大学、タイのチュラロンコン大学、ベトナムのハノイ工科大学及び台湾の国立清華大学から、学生10名(学部生4名、大学院生6名)を受け入れ、共同研究活動を行いました。
各機関とも、これまでに研究者同士の共同研究やインターンシップ受入れ等の実績を重ね、NIIに設置されている総合研究大学院大学・情報学専攻の正規課程学生の受入れにも至っていますが、今回は、これから研究者を目指す情報学分野の優秀な学生に研究活動を体験してもらうことを交流の主な目的として受入を行いました。
なお、受入に先立って、希望する研究内容を参加者個別に確認し、事前にマッチングを行うことで、受入期間中効率的に研究を遂行できるよう配慮しました。
初日は、まずオリエンテーションで研究所の概要等を説明したほか、NIIにおけるいくつかの研究活動について、教員やポスドク等がプレゼンテーションにより紹介しました。プログラムの最初に、NIIが取り組んでいる最先端の研究プロジェクトの紹介を行うことにより、各参加者の共同研究に直接関係のないテーマについても理解が深まり、また関心が高まったようでした。2日目となった7月10日(火)以降は、参加者1人に対し教員1名がメンターとして受け入れ、各参加者が設定したテーマにより各研究室で共同研究を遂行しました。
また、7月14日(土)には、エクスカーションを実施しました。お台場の日本科学未来館を訪問し、展示を通して我が国の科学技術に関する研究成果等に触れてもらう機会を設けました。エクスカーションを通じて日本文化や、科学技術に関する様々な展示に触れることは、参加者にとっては来日後の限られたスケジュールにおいてリフレッシュできる良い機会になったようでした。なお、エクスカーションには、NIIの職員が同行したほか、NIIに設置されている総合研究大学院大学・情報学専攻に所属する留学生によるサポートを得ましたが、彼らとの交流を通じて、NIIや我が国の充実した研究・生活環境を理解してもらうこともできたようです。
その後、受入最終日の7月27日(金)には最終成果発表会及びプログラム修了式を実施し、各参加者が最終発表を行いました。最終発表においては、各参加者が質の高い発表を行ったほか、参加したNIIの教員やポスドクとも活発な議論が交わされました。
また、発表会後にはInformatics in the future ''How to extend our researches in the future''と題し、教員、ポスドクを交えて、自身の研究や将来ビジョンについてディスカッションを行いました。
すべてのプログラム終了後には修了式を実施し、参加者が教員らと記念撮影を行うなど、和やかな雰囲気の中で全日程が終了しました。なお、最終日に取ったアンケートからは、プログラムに対する高い評価を得られた他、多くの参加者から、将来的にNIIや日本で研究や学業を行いたいとの声が寄せられました。