2018年度 活動レポート 第76号:新潟大学

2018年度活動レポート(一般公募コース)第076号

計算数学分野における最先端研究の多国間交流

新潟大学からの報告

新潟大学では「さくらサイエンスプログラム」の助成により、2018年7月26日〜8月4日の10日間、 台湾国立成功大学及び中国の3つの大学・研究所(中国科学技術大学、中国科学院・数学とシステム科学院、中国科学院大学)の大学院生、引率教員19名を受け入れました。

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新潟大学理学部での集合写真

今回のプログラムのテーマは「計算数学分野における最先端研究の多国間交流」です。このプログラムを通じて新潟大学での有限要素法の研究に関する講演と、応用数理の分野で活躍される3名の先生を新潟大学へ招待して計算数学に関する講演を行いました。

写真2
本プログラムで交流を行った学生と先生たち

<スケジュール>

7月26日 新潟空港到着
7月27日 オリエンテーション
劉研究室の研究紹介と講演
7月28日 微分作用素の固有値の高精度な評価方法の集中講義
7月29日 弥彦神社の見学・弥彦山の登山
7月30日、31日 微分作用素の固有値の高精度な評価方法の集中講義
8月1日 関根先生による精度保証付き数値計算の講義
8月2日 土屋先生、齋藤先生による講演
長岡まつり花火大会へ参加
8月3日 新幹線で東京都内へ移動
NECディスプレイソリューションズ(東京都港区)の見学
終了式
8月4日 成田空港・羽田空港から帰宅
 
 

講演と集中講義

有限要素法の精度保証付き数値計算理論と計算機援用証明に関する数学の理論と計算の方法を中心にして、講演や集中講義を行いました。

・新潟大学 劉先生:
「ミレニアム懸賞問題と計算機援用証明」
「有限要素法による微分作用素の固有値の高精度な評価方法」
・東洋大学 関根先生:
「精度保証付き数値計算入門」
・愛媛大学 土屋先生:
「Error Analysis of Lagrange Interpolation」
・東京大学 齋藤先生:
「The Lax-Milgram theorem and applications」
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関根先生による精度保証付き数値計算の講義

今回の一連の講義や講演を通して、精度保証付き数値計算という新しい計算数学の研究分野における日本の研究者の研究成果を中国・台湾の計算数学分野の若い学生・研究者へ紹介して、将来多くの若手の研究者が日本に来て、より多くの新規の研究成果を得ることを期待しております。

日本の文化体験

来日した学生たちは、弥彦神社の参拝,弥彦山登山などの活動を通じて日本の伝統文化と自然に触れることができました。また、長岡まつり大花火大会にも参加し、日本の夏の代表的な催しを体験することができました。

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弥彦山登山

会社への見学

東京都港区にあるNECディスプレイソリューションズ(株)を訪問して、様々なディスプレイ装置の技術を見学しました。この会社見学を通じて、電機メーカーとITサービスの分野における日本の世界トップの技術を体験することができました。

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NECディスプレイソリューションズにて

今回のプログラムによって、日中台の3カ国の学生が応用数理の分野における最先端の研究について体験、交流する機会を得ることができました。この機会は応用数理の分野の今後の発展につながるものと思います。最後にこの場を借りて本事業にご助力頂きましたさくらサイエンスプログラムならびに関係者の皆様に感謝申し上げます。