2017年度活動レポート(一般公募コース)第362号
ベトナムの学生・研究者との科学技術交流
富山大学和漢医薬学総合研究所からの報告
平成29年2月21日から28日まで、「さくらサイエンスプログラム」により、ベトナム・国立薬物研究所から6名の学生と5名の研究者・教員が、来日しました。本プログラムでは、ベトナムの天然薬物研究を担う大学院生・若手研究者を短期招へいし、和漢薬とその研究を例にして我が国の最先端の伝統医薬研究に直接触れる機会を提供することにより、日越両国の若手研究者の天然薬物・伝統医薬研究に対するモチベーションを向上させ、天然薬物研究から人々の健康福祉に貢献できる人材育成を図ることを目的としました。
初日
移動日
2日目
最初にオリエンテーションと及び和漢医薬学総合研究所長による本学および研究所の紹介が行われました。その後学長への表敬訪問を行い、今後の交流について意見交換がなされました。また、本学附属病院の薬剤部を見学した後、本学の教職員を交えたウェルカムパーティーに参加しました。
3日目
研究所教員6名により、資源開発・病態制御(病態生化学・消化管生理・複合薬物薬理)・臨床科学に関する特別講義が行われました。招へい者は真剣な表情で受講し、また積極的に質問をしていました。
4日目
研究所附属の民族薬物資料館を見学し,ベトナムをはじめ多くの国々から蒐集された伝統薬や生薬の多さに圧倒されていました。その後、地元を代表する製薬会社「廣貫堂」では資料館を見学、地元の老舗「池田屋安兵衛商店」では丸薬製造を体験し、薬都富山の歴史と伝統、そして「先用後利」の精神を肌で感じる1日となりました。
5日目
世界遺産五箇山を訪問しました。今年の北陸は雪が多く、学生たちは雪国富山での生活の知恵と工夫を目の当たりにし、初めて触れる雪景色にとても感激していました。その後、金沢市内の兼六園および、ひがし茶屋街を訪れ、美しい景色を楽しむだけでなく、日本料理や金箔貼り体験など、五感で北陸の文化を実感する1日となりました。
6日目・7日目
6つのグループに分かれ、それぞれの研究室で最先端研究の体験実習を行いました。研究所所属の日本人学生や留学生も、ベトナムの招へい者をサポートしていました。
その後、修了式では松本所長から1人ひとりに修了証が授与されました。また、アンケートでは全員が今回の訪日に対して「非常に満足」と答えていました。「さくらサイエンスプログラム」により、とても有意義な国際交流の機会をいただいたことに、心より感謝申し上げます。