2017年度活動レポート(一般公募コース)第342号
国際共同研究を利用した未来技術開発への第一歩
国立大学法人大阪大学接合科学研究所からの報告
2017年12月6日~12月26日の3週間に渡り、接合科学研究所7度目となる、さくらサイエンスプログラムの支援による海外学生の受け入れを行いました。今回はインド工科大学ハイデラバード校(インド)から1名、マラヤ大学(マレーシア)から1名、ヤンゴン工科大学(ミャンマー)から1名、ミャンマー航空大学(ミャンマー)から1名、メージョー大学(タイ)から1名、モンクット王北バンコク工科大学(タイ)から2名、モンクット王トンブリ工科大学から2名、の合計9名を招へいしました。
3週間の滞在中、参加者はそれぞれ当研究所の田中研究室、伊藤研究室、井上研究室、西川研究室、堤研究室に配属され、アーク溶接に係る熱量のコントロールや可視化、溶接部の微細構造分析、低温はんだ付け、或いは溶接部の強度シミュレーションなどの研究に従事しました。
活動初日と2日目にはオリエンテーション、当研究所施設見学、および受け入れを行う各研究室の研究紹介などを行いました。最新機器が揃う当研究所の施設見学では各機器の利用法や用途について活発な質問があり、熱心に施設見学を行いました。その後は日々、研究室の仲間や指導教官と共に、最新機材を自由にできる環境に歓喜しながら研究に取り組む姿が見られました。
12月25日には当プログラムの最終報告会を開催し、各参加者は3週間の研究報告を行いました。
参加者からは「高度な研究機材が自由に利用できることに感激した」「研究室が一体となって研究に取り組んでいることが素晴らしいと感じた」「研究に対するモチベーションを向上できた」などのほか、日本での生活についても「日本人の親切な対応にいたるところで助けられた」「規則正しい日本の生活が非常に心地よかった」などの感想がありました。
今回の受け入れで担当者として特に印象に残ったのは、参加者のうち1名が渡航前に足を骨折するという怪我を負っての渡航となりましたが、他国から集まった学生も含め、皆が協力し合いながら滞在をエンジョイする姿が見受けられたことでした。研究室から実験設備への移動、大学から宿舎への移動等、必然的に移動の多い日々でしたが、皆が交替で車椅子を押し、また、施設見学では椅子を見つけては運んで座らせるなどの気配りをするなど、これまでの受け入れでは見られなかった一体感が見受けられました。
最終報告会を終えた後、参加者達は皆で今後の連絡先の交換、引き続き連絡を取り合う約束などをし、皆別れを惜しんでいたことが大変印象的でした。
受け入れ前は、参加者の国籍に偏りがあったことで、全員が楽しく過ごせるか、更に怪我をした学生の受け入れは初めてであったことからも、不安の多い受け入れとなりましたが、だからこそ、皆が気遣いを忘れず常に一体感を持って過ごしていたのが受け入れ側としての今後の学びにもなりました
研究活動は勿論のこと、それ以外の多くの学びもあり、大変良い活動となりました。