2017年度 活動レポート 第215号:長岡技術科学大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第215号

新しい高性能軽金属材料開発のための日中研究交流

長岡技術科学大学からの報告

長岡技術科学大学では、ハルビン工業大学およびハルビン理工大学より、計11人の軽金属材料の研究に携わる大学院生・研究者を招へいし、2017年11月13日から11月20日までの間、高品質・高性能軽金属材料の開発に関する議論を行いました。

ハルビン工業大学は、優れた機械的性質を持つ新規なマグネシウム合金展伸材の開発や、高強度・高延性を具現化するために必要な“微細組織と変形機構”の関係の把握に力を入れています。一方、ハルビン理工大学では、高品質な軽金属材料の溶解・鋳造技術の開発に取り組んでいます。

長岡技術科学大学では、マグネシウム合金の溶解・鋳造から押出し・圧延といった展伸加工によるモノづくり、さらに、電子顕微鏡を用いた微細組織観察も行っており、ハルビン工業大学・ハルビン理工大学の持つ知識や技術を取り入れることで、高性能な新しいマグネシウム合金の開発が加速すると考えられます。

本交流では、構造用材料として使えるマグネシウム合金の開発を強く推進するため、シミュレーションを駆使したマグネシウム合金の変形機構解明、微細組織観察による軽金属材料の高性能化機構の解明、高品質鋳造材の製造方法について、活発な議論を行いました。

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軽金属材料に関する討論

参画研究機関の研究者は、お互いの最先端の研究開発に興味を持って議論に参加しました。特に、原子レベルの微細組織観察や最新の変形機構シミュレーション“elastic-viscoplastic self-consistent法”を用いたマグネシウム合金の室温変形機構の解明に関しては活発な質疑応答がありました。

また、高分解能組織観察に必要な試料作製についても、実際の試料作製装置を前にして、お互いの知識と経験を披露しました。

滞在期間中は、研究開発に関する討論のみならず、本学滞在中の海外研究者との交流も実施しました。それぞれの地域の文化について、英語でコミュニケーションを行い、日本人学生にとっても良い刺激となりました。

お互いの最新の研究開発動向に関する討論は、今後の研究開発の良い刺激となりました。

本交流を通じて、新規な高性能軽金属材料の開発を進めたいという思いが一層強くなっています。

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試料作製装置の見学と使い方に関する意見交換

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参加研究者の交流会