2017年度活動レポート(一般公募コース)第106号
中国協定校との連携強化につなげる研究交流
明治大学理工学部からの報告
明治大学理工学部では、平成29年10月2日より9日まで8日間にわたり、中国山東大学より引率教員1名と学生10名をさくらサイエンスプログラムにより招へいし交流を実施しました。
本学部と山東大学物理学院、化学・化学工学院、生命科学院は平成28年10月に学部間の国際協力協定を締結しましたが、同校との交流はこれまで教員間の研究交流と相互訪問にとどまっており、本プログラムが両機関の学生交流の第一歩となりました。
一行は2日夕方に来日し、翌3日から本学生田キャンパスにおいて理工学部職員によるオリエンテーションでプログラムをスタートしました。この日の午後は、物理学科、応用化学科のラボ・ツアーを行い、各教員が現在進行中の研究内容と本学部の研究環境を紹介しました。真剣なまなざしで説明を聞き、活発に質問している学生の姿がとても印象的でした。
4日は理化学研究所(RIKEN、和光市)を訪問し、上野秀樹主任研究員(本学部客員教授)によりRIKENの紹介と核分光研究室の研究紹介が行われました。また、アジア初の命名権が認められた新元素ニホニウムが発見された仁科加速器研究センターの施設見学、RIKEN研究者との懇談会を実施しました。学生は、世界最先端の巨大施設に強い印象を受けていました。
また、5日は情報通信研究機構(NICT、小金井市)を訪問し、梶田雅稔主任研究員(本学部兼任講師)により「Precise measurement of time and frequency」と題する特別講義が行われました。科学技術が我々の生活に生かされていることに、学生は大きな関心を示していました。その後、日本標準時を定めている原子時計と、それを支える基礎実験を行っている研究室の見学、NICT研究者との懇談会を行いました。
6日は本学生田キャンパスにおいて、立川真樹教授による「Is freeze ray possible?」、金本理奈准教授による「Cavity optomechanical cooling」と題する特別講義が、演示実験を交えて行われました。同日午後には、両校の学生による口頭発表、本学学生によるポスター発表を通じた研究紹介、および懇親会を行いました。ポスター発表においては、学生同士のface to faceの活発な議論が行われ、密度の高いコミュニケーションが実現しました。
7日は本学生田キャンパスにおいて本プログラムの総括を行い、修了証授与式を実施、8日にはお台場の日本科学未来館を訪問し、最先端の科学技術に関する数々の展示や世界の未来について思いを馳せる展示の見学を行いました。一行は9日に羽田空港より帰国し、大成功のうちに本プログラムを終了しました。
最後に、本プログラムにご協力いただきました理化学研究所核分光研究室、情報通信機構周波数標準グループの研究者・学生の皆様、本学部の教職員・学生の皆様に心より感謝申し上げるとともに、ご助成いただきましたさくらサイエンスプログラムに厚く御礼申し上げます。